映画「ザ・ロード」の感想(ネタバレ)

■映画「ザ・ロード」の感想(ネタバレ)



■監督:ジョン・ヒルコート
■出演者:ヴィゴ・モーテンセン コディ・スミット=マクフィー シャーリズ・セロン ロバート・デュヴァル ガイ・ピアース

WOWOWで放送していた映画「ザ・ロード」を鑑賞。

【映画「ザ・ロード」のあらすじ】

もはや文明が崩壊した近未来。あたり一面荒涼とした灰色の風景が続く大地の中を、父親と少年の2人連れが、飢えや寒さと必死に闘いながら、南を目指して歩いていた。やがて父子は、彼ら同様、食物と燃料を求めてさすらう、ならず者の武装集団と遭遇し、一戦を交えることになるが、どうにか難を逃れる。そして父親は、この非情な世界にあっても常に善き者であれと息子に教え諭すのだった。しかし彼らの旅は次第に過酷さを増し……。

※WOWOWから引用

【映画「ザ・ロード」の感想(ネタバレ)】


「ノー・カントリー」の原作者としても知られるコーマック・マッカーシーピューリッツァー賞を受賞した同名ベストセラー小説をヴィゴ・モーテンセンを主演に迎えて映画化した近未来サバイバル・サスペンス。

物語は、大地が荒廃し食料が育たなくなった近未来で人が人を狩って食う無秩序の世界で倫理を保ちサバイバル生活を続けていた親子の話。

「ロードオブザリング」のアラゴルン役でおなじみのヴィゴモーテンセンの作品ということで気になって見たが、予想外のダークな世界観と希望のない世界に生きる親子の愛情に完全にやられてしまった。

世界の終りを描いた作品で、ときたまこういう感じの絶望的な描写を描くものがあるが、この映画ほど全編に渡って壮絶で絶望的な世界が描かれているのはあまり見かけない。とりあえず、かすかな希望を胸に歩んではいるが、エンターテーメント的な楽しさは一握りも無い。

とにかく暗く沈んでおり、絶望状況の中での親子の愛情、倫理と希望だけが、唯一人間としての行動を維持している感じで見ていて辛い。

ラストは、一緒に歩んできた父親は砂浜で息を引き取り、希望を運ぶ旅は、まだ少年の息子へと託される。そして、その希望は、同じく旅を続ける別の家族との出会いによって共有されるが、絶望状況は変わらない。


評価 ★★★★☆ (星4.5)

(絶望状況での人間の姿を描く映画で、見てて憂鬱になるほど世界観は暗い。好き好んでこんな映画を見る人はたぶんいないだろうと思えるほど壮絶で悲しい話。最後には父親も死んでしまうし。食糧危機により、人が人を喰わなければ生きられないような世の中でも、唯一倫理を守る親子の姿が描かれているが、なぜ倫理や神(宗教)は、絶望状況でもまだ存在するのか?という人間心理の疑問(生きることよりも”生き方”の方が大事で意味がある)も問いかけられる作品。)


この子は天使だ

オレには神と同じ

-父



さあな

人はどこかへ行くものさ

-老人




大きな決断すらしたことがない

-老人




備えをしたか?

-父



話して聞かせた

悪い夢を見る間は

戦う気力があり

生きている証拠だ

いい夢を見始めたら

それは危ないことだと


-父



私が神だったら

同じような世界を創る

何も違わない

そしてお前の父になる

-父



おじさんは火を運んでる?

-息子



絶対に忘れない

なにがあっても

-息子



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映画「初恋のきた道」の感想(ネタバレ)

■映画「初恋のきた道」の感想(ネタバレ)




■監督:チャン・イーモウ
■出演者:チャン・ツィイー チョン・ハオ スン・ホンレイ チャオ・ユエリン

WOWOWで放送していた映画「初恋のきた道」を鑑賞。

【映画「初恋のきた道」のあらすじ】

父チャンユーが亡くなり、久しぶりに故郷の村に戻った男性、ユーシェン。昔ながらの村の風習にならい、父の遺体を家まで担いで運んでほしいと老いた母、ディに懇願される。そしてかつて自分が聞いた、父と母が出会った日々を思い浮かべる。ディが18歳の時、彼女の村に都会から若き教師チャンユーが新たに赴任した。思わず彼に一目惚れするが、文字の読み書きができないディは自分の思いを伝えんと、彼に手弁当を作り続け……。

※WOWOWから引用

【映画「初恋のきた道」の感想(ネタバレ)】


HERO」「LOVERS」のチャン・イーモウ監督がチャン・ツィイーを主演に迎えたラブストーリー。

物語は、町からやってきた国語教師の青年に惹かれた村の少女の淡い恋模様を描いた話。

回想(少女時代)と現代(息子目線での両親)を交えながら話が展開していく作品で、チャンツィイー演じるディの回想シーンはカラー映像、現在の老女ディのシーンはモノクロという本来とは逆の変わった編集がされていて、回想シーンの少女時代がディにとって、いかに淡く光っていたかがわかる作りになっている。

この作品は、カラーとモノクロの編集の良さも良いが、ひたすら彼のために弁当を作ったり、会える機会を伺う、ディの献身的で不器用な恋愛模様が胸に染みてくる。

特に約束の帰りを待っても、彼が帰ってこず雪が降る中ずっと待ち続けて体調を崩し死にそうになるなど、恋によって人間がおかしくなる姿はかなり切なく泣ける。

主演のチャンツィイーのまだあどけない可愛さと流れる音楽も素晴らしく、個人的にチャンイーモウ
監督作品(3〜4作品見てるが)の中で今のところベストな作品だと思う。今後もたぶんこの映画は超えられないと思う。


評価 ★★★★☆ (星4.5)

(彼の葬式を聞きつけ教え子が集まったり、息子が当時の父親の言葉を借りて、改装される古い学校で授業をするラストは涙なくして見られない。中国の農村の話だが、語り継ぎたくなるようなすげえいい話。この映画は、はっきり言って相手に好意が全くなければほぼ”ストーカー”で終わる話でもあるが、人間の中にある、他人に対する””という異常な興味(心理とその行動)が上手く表現されている。当事者でなければ、数年という長い期間じっと待ち続けたりするのは効率が悪い(時間の無駄)と思うが、本人にとっては、そんな時間が一番輝いていた過去”としてあり、人間の価値観の違いもわかる。)


人 世に生まれたら

志あるべし

書を読み字を習い

見識を広めよ

字を書き計算ができること

どんなことも 筆記すること

今と昔を知り天と地を知る

四季は春夏秋冬

天地は東西南北

どんな出来事も心にとどめよ

目上の人を慕うべし


-チャンユー&ユーチェン(息子)



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映画「ウディ・アレンの夢と犯罪」の感想(ネタバレ)

■映画「ウディ・アレンの夢と犯罪」の感想(ネタバレ)




■監督:ウディ・アレン
■出演者:ユアン・マクレガー コリン・ファレル ヘイリー・アトウェル サリー・ホーキンス トム・ウィルキンソン

WOWOWで放送していた映画「ウディ・アレンの夢と犯罪」を鑑賞。

【映画「ウディ・アレンの夢と犯罪」のあらすじ】

ロンドン南部に暮らす労働者階級のイアン。野心家の彼は父親が営むレストランで働きながら、ホテル事業への投資を足がかりにビジネスマンとして新たな道を歩もうと夢見る。一方、自動車修理工場で働く彼の弟テリーは、いずれ恋人のケイトと結婚してマイホームさえ持てればと、よりささやかで現実的な夢を抱いていた。彼らには一族きっての成功者である伯父ハワードがおり、いざという時、2人はいつも伯父を頼りにしていたが……。

※WOWOWから引用

【映画「ウディ・アレンの夢と犯罪」の感想(ネタバレ)】

 
「マッチポイント」「それでも恋するバルセロナ」のウディ・アレン監督がユアン・マクレガーコリン・ファレルを迎えて描く犯罪サスペンス映画。

物語は、ギャンブルにより多額の借金を追ってしまった兄弟が、金持ちの伯父に救済を求めるが、その見返りに殺人の依頼されてしまう。しかし、悩んだ挙句に素人ながらも兄弟たちは殺人計画を実行に移すが…という話。

ユアンマクレガーコリンファレルという珍しい共演に録画してみたが、ウディアレン作品ということもあり、殺人を犯すという犯罪サスペンスではあるが、途中途中に笑ってしまうような皮肉なシーンがあって面白い。

特に借金の救済を頼んだ伯父ハワードから、逆に殺人の依頼(相談)を受けてしまった時の三人の会話は笑える。また兄弟が行う殺人計画もすべて素人の計画なので、行き当たりばったりの不器用な感じがリアルで面白い。

ラストは、依頼された殺人には成功し、借金も片がつき無事に物事が解決するが、弟だけは被害者の顔が夜な夜な枕に出てきて苦悩し始める。罪の重さに耐えれなくなった弟は、警察に自首すると兄にほのめかす。しかし伯父からの援助で理想どおりの生活をしていた兄は弟を口止めするため、弟殺しを計画するも、もみ合いの末逆に頭を打って死んでしまう。兄まで殺してしまった弟は、海に飛び込み自殺する。

かなり皮肉なラストだが、自分の実力以上の夢を無理に追うことが”犯罪”を犯してしまう原因になるという、”夢と犯罪”の微妙な位置関係が上手く描かれていると思う。

一見ギャンブルで借金の原因を作った利己的でない弟の方が罪が気にならないかに思えるが、実際は利己的な兄の方が罪を忘れてしまっているかのようにしっかりしているのも面白い。


評価 ★★★☆☆ (星3.5)

(最近個人的に見る機会が減ったユアンマクレガーコリンファレルだが、その二人が兄弟のコンビはなかなか。普段なら男勝りなキャラが多いコリンファレルだが、今回は、珍しくウジウジと苦悩する役どころで新たな印象を残している。一応ウディアレンの脚本ということで、彼の人生の名言みたいなものも映画の中に反映しているようでセリフは面白い。社会に対する皮肉や矛盾などセリフ回しは、ウディンアレン節だ。)


人生で確実なのは

死ぬことだけだ

-兄弟の父



結局人生なんて

皮肉なめぐり会わせなのよ


-アンジェラ(舞台のセリフ)



私に金を無心して

倫理を求めるな


-ハワード



突然明日が見えなくなる

-テリー



やるべきことをやれば

明日は来る


-イアン



不条理がまかり通ってる

俺が正さないと

-テリー



ポーカーはチェスより

スキルが必要だ


-バーンズ




一線を越えたら

もう後戻りはできない

-イアン&テリー


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映画「ぼくのエリ 200歳の少女」の感想(ネタバレ)

■映画「ぼくのエリ 200歳の少女」の感想(ネタバレ)




■監督:トーマス・アルフレッドソン
■出演者:カーレ・ヘーデブラント リーナ・レアンデション ペール・ラグナー ヘンリック・ダール カーリン・ベリークイスト

WOWOWで放送していた映画「ぼくのエリ 200歳の少女」を鑑賞。

【映画「ぼくのエリ 200歳の少女」のあらすじ】

ストックホルム郊外の小さな町。母親と2人暮らしの12歳の少年オスカーは、同級生のいじめに苦しみながら、いじめっ子たちへの復讐を夢想して堪え忍ぶ毎日。ある晩、彼が近所で出会った謎めいた少女エリは、オスカーの家の隣に父親と引っ越してきたばかり。どこか自分よりも大人びた面があるエリにオスカーが魅了されていく一方、町では殺人事件など奇妙な出来事が立て続けに発生。後者にはエリの意外な正体が関係していた……。

※WOWOWから引用

【映画「ぼくのエリ 200歳の少女」の感想(ネタバレ)】


“スウェーデンのスティーヴン・キング”とされるヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストのベストセラー小説を映画化したスウェーデン映画。

物語は、ヴァンパイアの少女に恋してしまったいじめられっ子少年の切ない恋を描いたホラー×ラブストーリー

少年とヴァンパイアの少女(※実際は200歳?らしい)の恋を描く物語で、同じヴァンパイアがテーマの人気作「トワイライト」と似ているが、こちらはまた違った魅力がある作品。

個人的に「失楽園」みたいな社会から受け入れられず、救いのない暗い恋愛作品みたいなのは結構好きだが、この映画も人を殺して血を得ているヴァンパイアの少女に惹かれてしまった少年の切ない恋愛模様が描かれている。

「トワイライト」はいかにもアメリカ的な恋愛作品だが、この映画はどことなく邦画の雰囲気を感じさせる派手さがない落ち着いた描写に妙な魅力があり、かなり好感が持てる。

また、少年の純粋さ(白)とヴァンパイアの血みどろのグロテスクさ(黒・赤)という両極端の映像が混在しており、今まで見たことがないしっとりと切ない世界観は独特。

ストーリーの進み方は結構ゆっくりなので吸引力はないが、美しい雪景色の映像と切ない音楽が世界観にマッチしており、ずっと浸っていたくなる良さがある。

ラストのプールでいじめっ子をやっつける少女の殺戮シーンは、美しくもグロくて衝撃的だ。そして、その後列車で逃避行する二人のラストショットも切ない。


評価 ★★★★☆ (星4.5)

(WOWOWのW座からの招待状の推薦作品で気になって録画して見てみたが、これがなかなか良い。収録時間110分でそんなに長くない作品だが、軽く疲れるほど長く感じた。単純に「面白い!」と一言で絶賛するような映画ではないが、人に勧めたくなる不思議な魅力がある。詩的で静かな作品。ホラージャンルではあるが、脅かし系ではないので怖くない。※途中に日本版では少女の下半身にボカシが入るが、実はこの部分でエリは去勢された男の子だったことがわかるらしいが、日本版では規制で見えないので性別は謎のまま。後からこのことを知って物語の印象が大分変わってしまった日本語字幕も問題だな。)


ここを去って生き延びるか

留まって死を迎えるか

-エリ



お願い、ブラインドを

上げてくれる

-エリに噛まれた女



相手を殺してでも

生き残りたい…

それが生きるってこと


-エリ



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映画「ジャーロ」の感想(ネタバレ)

■映画「ジャーロ」の感想(ネタバレ)



■監督:ダリオ・アルジェント
■出演者:エイドリアン・ブロディ エマニュエル・セニエ エルサ・パタキー ロバート・ミアノ ヴァレンティナ・イズミ

WOWOWで放送していた映画「ジャーロ」を鑑賞。

【映画「ジャーロ」のあらすじ】

イタリアのミラノ。外国人の美女が誘拐され、拷問を受けて殺される事件が連続発生。フライト・アテンダントのリンダは妹であるファッションモデルのセリーヌが行方不明になったので地元警察に駆け込むが、猟奇殺人事件を専門としている風変わりな警部エンツォを紹介される。エンツォにはあるつらい過去があり、そのために猟奇殺人事件を専門にするようになっていた。セリーヌはやはり、異常な犯人に捕まって監禁されていたが……。


※WOWOWから引用

【映画「ジャーロ」の感想(ネタバレ)】


映画「サスペリア」などホラー映画で知られるイタリア人監督ダリオ・アルジェントがアカデミー賞俳優エイドリアンブロディを主演に迎えたイタリア・アメリカ合作のホラー映画。

物語は、美女だけを狙って拷問や殺害を繰り返す犯人により行方不明になった妹を探す姉とその犯人を捜している猟奇専門捜査官の話。

一応「犯人は誰?」という謎と、美女に対する猟奇的な拷問が見どころ?のホラー映画。

犯人は、タイトルにもなっているが”ジャーロ(黄色)”と呼ばれる、黄疸という病気の持ち主が犯人だったという結論になるが、もったいぶることなく普通に出てくるので「ようやく見つけた!」というような喜びはない。

捜査も順々に進んでいき、その間に犯人との駆け引きの攻防があるかと思えば、特にドンデン返しがあるわけでもないので、「うん、うん、うん、…そうか。あれ?終り。」という感じで、気持ちがそれほど揺さぶられることなく終了。

エイドリアンブロディ演じる捜査官:エンツォの過去の物語も語られるが、それが特に視聴者目線で大事かと思うとそうでもなく(犯人が死んでしまう動機には影響あるが)、「そうだったんだ」という感じ。

ラストは、一応駐車場の車のトランクに入れられ監禁されていた妹が空港の警備員によって……。という助かったかどうかは微妙な終わり方でエンドロール。たぶん地面に垂れて水溜りになった血からも、発見され助かったという解釈で良いでしょう。

美女が狙われるということで、襲われる女性キャストは、美人が多い。※加害者は違うがエンツォの母親役も美人だ。ただ、美女を襲ってるわりに犯人は性的なことは一切しないので、そういうシーンを期待してると肩透かしに合う。犯人真面目。

ときおり日本語が出てくるので、日本語字幕を読むのに注目してると、日本語なのにセリフが聞き取れなくなるという感覚に陥るので注意しよう。


評価 ★★☆☆☆ (星2.5)

(ものすごく悪い作品という訳でもないが、紙芝居を見せられている感じで、登場人物に感情移入することなく、物語の事実を普通に確認させられたような映画。残虐部分の描写は唇をはさみで切ったり、顔面を金槌で殴打したりなど結構痛々しい。映画「ソウ」みたいなジャンルではあるが、脚本や残虐性含め「ソウ」には全く届かずという作品。刑事と行動を共にしていた被害者の姉が、「今日は一人になりたくない」と弱さを見せて誘うが普通に断られるのがちょっと面白い。あと、犯人が落っこちて死にそうな時なのに、妹の居場所を必死に聞こうとするのも笑える。聞くときは今しかないけどもさ…。)


お願い 

妹の居場所を教えて!

どこなの?

教えてお願い!


-リンダ



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