映画「希望の灯り」の感想(ネタバレ)

  • 2020.09.20 Sunday
  • 05:34

■映画「希望の灯り」の感想(ネタバレ)


■監督:トーマス・ステューバー
■出演:フランツ・ロゴフスキ ザンドラ・ヒュラー ペーター・クルト アンドレアス・レオポルト ミヒャエル・シュペヒト


【映画「希望の灯り」のあらすじ】

内気で無口な青年クリスティアンは、とある騒ぎで転職を余儀なくされ、旧東ドイツ、ライプツィヒの近郊にある巨大なスーパーマーケットで在庫管理係として働き始める。店の倉庫の棚いっぱいに立ち並ぶ商品を、フォークリフトなどを操って運搬する作業は、なかなかの重労働。不器用でなかなか仕事がうまくできない彼を、周囲の先輩たちは優しく見守り続ける。やがて彼は、年上の同僚の女性マリオンに恋心を抱くようになるのだが…。

WOWOWから引用


【映画「希望の灯り」の感想(ネタバレ)】

 

 

第68回ドイツ映画賞で作品賞ほか計4部門にノミネートされ、主演男優賞を受賞したというドイツ産の人間ドラマ。

 

巨大なスーパーで働く人々の人間模様を描いたというあらすじを見て選んでみた。

 

内容は、刑務所上がりの無口な青年が不器用ながら巨大なスーパーで真面目に働いていくという話。

 

ただスーパーで働くという以外に特にこれと言って大きな出来事がある訳ではないのだが、この青年を通してスーパーで働く人々の日常(心情)が丁寧に描かれている。

 

気にかけてくれる年上のおじさん社員がいたり、部署が違うとこに気になる年上のパート?女性が現れて恋愛関係になったり、仕事中に賞味期限切れの処分食料を盗んで食ったりなど、バイトならではのあるあるが結構あり、物語としては、意外と共感でき、好感度がある。

 

最終的に、気にかけてくれたおじさん社員が自殺で亡くなってしまうという、悲しさはあるものの、最後にどこか余韻が残る作りである。

 

 

評価 ★★★☆☆ (星3.3)

 

(まとめ:巨大スーパーでのバイトあるあるで描くドイツ産の人間ドラマ。音楽や強めの演出で、物語を引っ張って魅せる映画ではなく、セリフ少なめで淡々と状況を見せていく映画である。主人公がストーカーっぽくなったり、ヒロインの外見がやや普通過ぎたり、ちょっと微妙なところはあるが、スーパーに悪い人間は出てこなく、総じて好印象な作品。会社の部品として日々働いてる(働かされている)労働者なら共感すること間違いなし。深夜、寝る前にしっとりと見るにはちょうど良い作品。)

 

 

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JUGEMテーマ:洋画

映画「俺俺」の感想(ネタバレ)

  • 2020.09.19 Saturday
  • 11:47

■映画「俺俺」の感想(ネタバレ)


■監督:三木聡
■出演:亀梨和也 内田有紀 加瀬亮 キムラ緑子 高橋惠子 ふせえり 岩松了


【映画「俺俺」のあらすじ】

家電量販店で働く青年・均。ある時彼は、出来心からハンバーガー店で隣に座った会社員の携帯電話を盗み、大樹というその会社員に成り済ましてオレオレ詐欺を働いてしまう。以来、彼の周囲では奇妙な出来事が起き始める。なぜかアパートの部屋に大樹の母親が来て、均を大樹と信じて疑わず、逆に均の実家には、別の“俺”がいた。やがて均の周りには、会社員や大学生など、立場こそ違うが同じ顔をした“俺”が増殖していき……。

WOWOWから引用


【映画「俺俺」の感想(ネタバレ)】

 

星野智幸の同名小説をTVドラマ「時効警察」シリーズの三木聡監督がKAT−TUNの亀梨和也を主演に迎えて映画化したコミカルサスペンス。

 

亀梨和也が出てたので見てみた。

 

オレオレ詐欺を働いたことから不条理なことが起きるというサスペンスだが、世界観としては、”世にも奇妙な物語的”な雰囲気があり、サスペンスとしてはなかなか興味深い内容ではある。

 

ただネタバレで言うと、オレオレ詐欺をしたら”オレ”と偽った相手の人生が自分の人生と入れ替わる部分のアイデアは、かなり素晴らしいのだが、それ以降が、興味が散漫になり、物語としての吸引力が結構落ちてしまった。

 

途中から急にコミカル路線(弱コメディ調)になったのと、必要以上に、オレが増殖し、不条理だけが漂う世界になって、現実感が乏しくなった。

 

そもそも途中から自分自身の周りだけでなく、社会の世界観(ルール)も変わっていったのは、話が飛び過ぎだろう。ほんとに世にも奇妙な物語のような話だ。

 

個人的に、この物語でいえば、やはり、”オレオレ”詐欺をした人間が他人の”オレ”に成り最初は戸惑いつつも、金持ちの他人を選び、いろんな俺になるも、意外と苦痛で、やっぱり貧乏でも本来の自分の人生に戻りたくなるが、なかなか戻ることが出来ない…というようなシンプルな話の方が、普通に興味が続いて良かったと思う。

 

個人的に、”オレ”が三人になった時点で、物語の興味から離れてしまった。

 

一応、最後まで見ると、実は、最初の時点から不条理が始まっていたのか?というような意味深な感じがあるラストになっているので、その辺の解説というか、個人的に思ったことを。

 

最終的に最後まで残った”俺”とは誰だったのか?

 

この物語のオチである。

 

とりあえず、ポイントは、黄色と赤の腕時計。

 

物語の主役とされる均(ひとし)は、最初、赤の腕時計をしているが、途中から自分との入れ替わりをさせるために、それをナオに渡し、自分は黄色の腕時計を嵌める。

 

時々、均に成り代わっていたナオ(実際このナオかどうかはわからないが)は、赤色の腕時計をしたまま大樹に殺されたことになり、その大樹は、ナオに成り代わって、均を殺しに来るが、均はその大樹を返り討ちにする。大樹はそれで死に最後に残ったのは当初からの主役の均となった。

 

この物語の流れ(理解)で行くと、最後には均が残ったことになるが、最後の母親との会話シーンにはどこか違和感があるし、最後の均と思われる”俺”が見せる表情にも意味深さがある。

 

この最後の表情をどう捉えるかによって、誰が最後に残ったのか結末は変わってくる。

 

最後に主役の均が残ったという単純な理解で行けば、ここの表情の理由は、いろいろあったことで、ようやく母親の事(下の名前で呼ぶ)も認めることが出来たというハッピーエンド的な表情としても見えなくもないが、一方で、上手く成り代われたしめしめという表情であれば、この最後は均ではない場合もある、

 

では、その場合は、一体誰が成り代わっていたのか。

 

個人的には、ナオもしくは、全く関係ない別の誰かということになる。

 

ナオが最後の場合の流れは、ナオが事前に身代わりを立てており、その人間を大樹がナオだと誤解して殺した場合、本物のナオは、まだ生きてる可能性がある。そもそも最初の削除(殺し)を始めたのは、ナオであり、自分が最終的に殺される対象になるのは、予想できるため、途中で均から預かった赤の腕時計を他の”俺”に渡すことで、ナオ自身の存在は消せるのだ。

 

身代わりのナオが死に、そのまま本物のナオは身を隠していれば、死んだことになっていて最後まで生き延びることが出来る。

 

均が死んだナオに成り代わった大樹を殺し、最後の均(俺)が決まったところで、ナオが均を削除すれば、均に成り代われる。

 

ちなみに、ナオが最後に残ったと思われる理由には、もうひとつ理由(伏線)があり。オレオレ詐欺を働いた後、均の家に大樹の母親が急に訪ねてきた後、自分の実家に戻ると、すでに大樹が成り代わっていて、実の母親からも他人扱いされ追い返されるシーンがある。

 

その際に、大樹は、昨日も同じように訪ねてきた人間(俺)がいてそいつを同じように追い返したと語る。本物の均は、昨日は家に帰っていないと答えるのだが、この時点ですでに、本物の均に成り代わろうとしていた人間が、大樹以外にも別にいたことがわかる。

 

さらにその人間は茶髪だったという。

 

ちなみに、ナオは、大樹に紹介され、本物の均と初めて会った時、自分が永野均だと強く言い張っている。この流れを回収すると、最後に残っていたのは均に成り代わったナオということがかなり濃厚に見える。

 

この場合、やはり、最後に自分の母親を下の名前で呼ぶことを頑なに嫌っていた本物の均が、マセエ”さん”と意味深に下の名前を”さん”付けで呼ぶのは気持ち悪く、誰かが均に成り代わっていたと考える方が、自然だろう。

 

ナオ以外の他人と言う可能性も否定できないが、最後に本物の均がしていた黄色の腕時計を嵌めるという演出が、ようやく本物に成り代われたという演出的意味合いがあった(今まではずっと借りた赤の腕時計をしていた)と考えると、最後は、ナオだったということが一番しっくりくる。

 

ということで、最後に残ったのは、ナオだと思われる。

 

 

 

評価 ★★★☆☆ (星3.4)

 

(まとめ:オレオレ詐欺からのアイデアが光るが、細かい部分がかなり惜しい不条理サスペンス。コミカル部分はいらないが、サスペンスとしては、もう一度見返したくなる要素(伏線)がある興味深い作品です。個人的には、内田有紀の魅力が出ていて、すでに40歳を超えているにもかかわらず、良さを改めて再確認させられたのは、この映画の発見。あとお母さん役の二人も妙に艶がある。)

 

 

 

俺が”俺”だ

 

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JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

映画「となりの怪物くん」の感想(ネタバレ)

  • 2020.09.13 Sunday
  • 07:44

■映画「となりの怪物くん」の感想(ネタバレ)


■監督:月川翔
■出演:菅田将暉 土屋太鳳 古川雄輝 山田裕貴 池田エライザ 浜辺美波 佐野岳 速水もこみち


【映画「となりの怪物くん」のあらすじ】

母親に認めてもらいたい一心で勉強に勤しむあまり、恋人も友人もいない高校1年生の少女・雫。ある日、彼女は席が隣で不登校が続く男子生徒・春にプリント類を届けるよう担任に頼まれる。その帰り、雫の前に突然、春が現われ、勝手に彼女を初めての友人と認定し、付きまとうようになる。最初はうっとうしいと思う雫だったが、春の純粋な人柄に心を開き始める。やがて2人には、夏目、佐々原、大島といった仲間ができ……。

WOWOWから引用


【映画「となりの怪物くん)」の感想(ネタバレ)】

 


ろびこ原作の同名コミックを、「君は月夜に光り輝く」の月川翔監督が菅田将暉、土屋太鳳共演で映画化したラブストーリー。

 

菅田将暉が出てので見てみた。

 

タイトルは、”となりの怪物くん”と付けられているので、どんな”怪物”具合なのかが気になるところだが、ケンカがめっぽう強くて、いじめを見逃せないほど正義感が強いという部分があるものの、それ以上は何もなかった。

 

ちなみに、ケンカの強さや正義感の強さで、物語をどんどん引っ張っていく不良系の物語かと思いきや、ヒロインを好きなってからは、普通に落ち着いてしまい、恋愛青春映画の通常運転で特にこれと言って見るべきところが無い。

 

複雑な事情で兄貴や父親と揉めている過去があるので、彼にどんな過去が隠されているのか期待させるが、蓋を開けてみたら、親父が議員で、地盤継承のための後継者問題で期待を掛けられていて、それにただ反抗していただけであった。

 

議員のパーティ(兄貴の誕生パーティ)で、後継者として指名されたことで反発し、急に暴れるが、ホントにしょうもない(笑)

 

散々引っ張っておいて、意外と普通の内容だ。

 

怪物具合では、人間離れをした動きを時々見せていたので、何かスーパーマン的な話に飛躍するのかと思いきや、ただただ普通の話に収まる。

 

結局、何が怪物なのかというと、ヒロインが彼の事をただ”怪物”(自分の冷静な心を乱してくる)と表現しただけの話であった。

 

 

評価 ★★☆☆☆ (星2つ)

 

(まとめ:出演者がのちの主役級の面々が集まってる豪華な恋愛映画。とりあえず絵的に見れる。女性キャストは、池田エライザ、浜辺美波が出てるし、男性陣は、”あの頃君を追いかけた”の山田裕貴がいたり、WOWOWの殺人分析班スピンオフの古川雄輝がいたりと個人的には結構すごいと思う。ただ中身が、これで良いのか?と疑いたくなるほど全然無い。ハルが自分勝手で、ただただしょうもないヤツ。)

 

 

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JUGEMテーマ:恋愛映画 一般

映画「GODZILLA ゴジラ(2014)」の感想(ネタバレ)

  • 2020.09.13 Sunday
  • 06:54

■映画「GODZILLA ゴジラ(2014)」の感想(ネタバレ)


■監督:ギャレス・エドワーズ
■出演:アーロン・テイラー=ジョンソン 渡辺謙 エリザベス・オルセン ブライアン・クランストン ジュリエット・ビノシュ サリー・ホーキンス デヴィッド・ストラザーン


【映画「GODZILLA ゴジラ(2014)」のあらすじ】

1999年。科学者・芹沢博士はフィリピンで巨大生物の化石を発見。同じころ、日本の原発では原子炉が暴走し、科学者ジョー・ブロディは妻サンドラを失ってしまう。それから15年後の2014年。研究機関“モナーク”はフィリピンで見つかった何かの生物の繭を監視してきたが、繭からは新怪物“ムートー”が生まれ、ハワイのオハフ島に向かう。“ムートー”がハワイに到着すると別の巨大生物“ゴジラ”も出現して戦いを始める。

WOWOWから引用


【映画「GODZILLA ゴジラ(2014)」の感想(ネタバレ)】

 

「モンスターズ/地球外生命体」のギャレスエドワーズ監督が渡辺謙出演で日本のゴジラをテーマにハリウッドで映画化したスペクタクルアクション。

 

そういえば、見てなかったので見てみた。

 

1998年に公開されたローランドエメリッヒ版のゴジラは、一応見ていて、ただゴジラがやたらデカかった位の印象しか覚えていないが、新たに最近(といっても6年前)になってまたゴジラがハリウッドで再映画化されたようだ。

 

こちらは、渡辺謙が出演したことで、劇場公開時、少し話題になっていたのは覚えている。

 

ちなみに、WOWOWの番組情報では、”高い評価を受け、全世界合計興行収入が5億ドルを突破”と、かなりヒットしたことが窺え、期待出来そうな雰囲気を醸し出してるが、実際に見てみると、これが目も当てられないほどにひどかった(笑)

 

通常、ある程度お金が掛かったスペクタクル映画は、アクションは凄いけど、中身が無いのはよくあるが、これは、内容のダメさにプラスして、アクション部分も大して見どころが無い。

 

というのも、でかい足跡や、痕跡など、フリの部分は、しっかりしてる割に、いざアクションシーンとなると、大抵夜になってしまい、暗くて何をしてるのかが全然わからない(笑)

 

それにプラスして、物語の方向性もよくわからない。

 

ゴジラって言うからに、ゴジラ単体の映画なのかと思ったら、別の怪獣が出てきて、話がごちゃごちゃしている。

 

これでタイトルがゴジラってなんか違うでしょう。

 

まず、みんな、このギャレス・エドワーズ版のゴジラに対しては初見だから。その割にパート2みたいな描き方。

 

そして、いろいろ人が作戦など練ってるのだが、全然話が芯に迫らず盛り上がってこない。登場人物にまるで感情移入できない。

 

長年情報を集めていた主人公の父親がようやく活躍できる場がきたかと思ったら、あっさり死んだり、渡辺謙も研究者としていろいろ顔を出して調査してる割に、全然活躍させてもらえない。

 

それにプラスして、ほとんど関係ないはずの主人公が、軍人として、急に重要な作戦に参加してきたり、都合ばかりがやたら目立つ構成。

 

そして、最後は、アメリカ中が壊滅的な被害にあったはずだが、ゴジラが他の怪獣を代わりに倒して、海に帰っていったら、ゴジラありがとうみたいなよくわからない怪獣愛を急に出して終了する始末。

 

結局、渡辺謙は何もしていない。

 

2時間かけて、まるで内容が無い(笑)

 

 

 

評価 ☆☆☆☆☆ (星0)

 

(まとめ:物語も面白くなければ、アクションとしての見どころも薄い大駄作映画。これなら、ジェリーブラッカイマー×マイケルベイ演出で、アホみたいな怪獣大バトル映画にしてくれた方がまだ見る部分はあったでしょう。モンスターズ的なサスペンス風な角度を期待してギャレスエドワーズ監督をあえて指名したのだと思うが、ただただどっちつかずで、何を見せたいのかすらもよくわからない、迷走映画になっただけ。これで日本人が一応、製作総指揮に参加してるんだから、何のために参加したのかわからない。これなら日本のシンゴジラの方が見れる内容だった。)

 

 

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JUGEMテーマ:アクション映画全般

映画「嘘を愛する女」の感想(ネタバレ)

  • 2020.09.11 Friday
  • 07:44

■映画「嘘を愛する女」の感想(ネタバレ)


■監督:中江和仁
■出演:長澤まさみ 高橋一生 DAIGO 川栄李奈 野波麻帆 黒木瞳 吉田鋼太郎


【映画「嘘を愛する女」のあらすじ】

食品メーカーに勤めるキャリアウーマンの由加利は、東日本大震災の日に出会った研究医の恋人・小出と同棲生活を始めて5年目を迎えていた。ある日、彼女のもとに刑事が現われ、小出がくも膜下出血で倒れ、病院で昏睡状態にあると告げる。しかも、彼の運転免許証も医師免許証も偽造されたもので、小出という名前すらも偽名だったというのだ。ショックを受けた由加利は、彼が何者なのか、私立探偵の海原に調査を依頼するが……。

WOWOWから引用


【映画「嘘を愛する女」の感想(ネタバレ)】

 

 

“TSUTAYA CREATERS’ PROGRAM FILM 2015”で初代グランプリを獲得した企画を長澤まさみ、高橋一生共演で映画化したというラブサスペンス。

 

長澤まさみが出てたので見てみた。

 

内容は、5年間同棲していた男がある日、昏睡状態となり、身分がすべて偽りだと知った女性が、彼の身元を調査し始める過程で、彼が書いたと思われる小説が出てきて、その小説をヒントに彼の過去(出生)を知っていくという話。

 

ちなみにオチは、過去に妻子を亡くしていた医師で、悲しみの果てに妻子と暮らしていた故郷を離れ、別の人間として東京で暮らしていたところ、震災の日に彼女と出会い、その後長く同棲する中で、二人で新たな人生を歩み始めようと男が決意を固めていたところ、くも膜下出血で倒れ、昏睡状態となってしまった(自伝的?小説より彼の気持ちを知る)。

 

最終的に、男の事情(過去)を理解した彼女が昏睡状態の彼を日々支えてると、ある日、彼は目を覚まし…end という話だ。

 

物語のテーマだけ見れば、嘘をついていた彼の過去をすべて受け止め、献身的に介護する女の姿に感動必死の恋愛映画ということになる。

 

そんな映画ではあるのだが、個人的には、この男女に対して、共感エピソードが無さ過ぎて、全然感情が入っていかない。

 

というのも、震災の日に出会うという部分はドラマチックで良いのだが、その次の瞬間には、すでに親密に同棲してるところから始まり、一番大事な二人の人柄が分かる出会いから恋愛、同棲に至るまでのエピソードがすべて省略されている。

 

結果、二人の人物像の情報がほぼほぼない中、物語だけは、付いて来いと言わんばかりにどんどん進んでいく。

 

こちらとしては、ずっと登場人物目線で共有できず、置いてけぼりだ。

 

ちなみに、ラブ(恋愛描写)を省略したことで、サスペンスの方で引っ張っていく物語なのかと期待するも、こちらも、自伝小説など個々の要素としては気になるものはあるが、物語全体としてはぐっと惹きつけるほどの魅力は無い。

 

中盤では、男の出生探しに地方を訪れると、どこか緊張感が切れて、一時ロードム−ビーのような感じになり下がってしまう。

 

この部分でも、人物像がしっかりしていれば、共感できるのだろうが、一緒に探してくれている探偵と細かいことでケンカになったりしていて、もう何を見せたいのかがよくわからない。女の性格が自分勝手で悪すぎる。

 

そんな部分があったかと思うと、男の過去が必要以上にシリアスなものが用意されていて、一瞬ホラーかなと思う。

 

男の幼い娘は、育児ノイローゼになった妻に風呂場で水死させられ、その妻は、家から急に飛び出すと、目の前で道路に飛び出し交通事故死。轢かれるその瞬間、男(夫)を恨むかのように一瞬笑みを見せて死ぬのだ。

 

なんだこの描写は(笑) ※そもそも男は昏睡状態なんだから、全部想像じゃねえか。

 

ちなみにそこからもわかるが、すべての原因は、男が仕事を優先して、家庭のことを一切顧みなかったことが原因である。この男も紐解いていくと、どうしようもない人物であることがわかる。

 

なぜこんな変な過去なのか。これなら、妻子が殺されていた過去の方が、まだ共感しやすい。

 

そんなことが一通り合って(知って)、終盤、すべての事情を知ったヒロインは、ようやく昏睡状態の彼と対峙する。

 

今までの流れからすれば、ぐっと堪えた演技でしっとり見せるのかと思いきや、もうここぞとばかりに、泣きながら喚き散らす。

 

最後まで待って、結局それかい!

 

物語のヒロインが物語から飛び出して、演出の方が勝ってしまった。

 

完全に、悲しい演技で観客を泣かせに来ているのがバレバレだ。

 

この製作サイドの魂胆が見えてしまうと、もうこちらは泣けません。

 

もともと泣ける感じではなかったけど。

 

せっかくの映画がもう台無しです(笑) 

 

ただ無言で訴える、その無言を切り取って、観客がヒロインの心情をすべて理解して涙する。これが理想だし、それが良質な映画でしょう。口で感情を全部説明するなら、今までのは、一体なんだったんだよって思う(笑)

 

 

 

評価 ★☆☆☆☆ (星1つ)

 

(まとめ:最後は結局世界の中心で愛を叫ぶ的な演出をやりたかっただけの自己中ラブサスペンス。最後まで見て損をします。このヒロインなら、脇役の川栄李奈の方が共感できたかな。)

 

 

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