映画「恋の渦」の感想(ネタバレ)

 


■監督:大根仁
■出演:新倉健太 若井尚子 柴田千紘 後藤ユウミ 松澤匠 上田祐揮 圓谷健太

 

映画「恋の渦」のあらすじ

 

コウジとユウタはもてない友人オサムに恋人を見つけようと、コウジとその恋人トモコが暮らす部屋を舞台にした合コン=部屋コンを開き、若い男女9人が集まる。オサムに紹介されたユウコはあまり魅力的ではなく、彼女を押し付けられたオサムも不機嫌。しかし合コン後、ユウコとオサムは惹かれ合って交際を始める。やがて仲間のタカシとカオリも付き合い出すなどうまくいくカップルもいれば、関係がこじれていくカップルもいて……。

 

※WOWOWから引用 https://www.wowow.co.jp/detail/192812

 

【映画「恋の渦」の感想(ネタバレ)】

 

「何者」の三浦大輔監督による同名戯曲を、「モテキ」の大根仁監督が映画化した群像劇。

 

タイトルに惹かれて見てみた。

 

内容的には、20代の8人の若い男女(ギャルやギャル男)による友情や恋愛模様をそれぞれの自宅(4部屋)のみのカットだけで描いた話。

 

始めの15分位は、渋谷のギャルとギャル男みたいな見た目に全振りした登場人物(将来のことを何も考えて無さそうな人)たちによるノリだけで全く面白くない合コンを見せられ、反吐が出そうになるが(笑)、それぞれが自宅に戻って本音を話し出すと、様子は一変し、急に興味性が増していく。

 

そこから、20代の若者に特にありがちな、本音と建て前やプライドと性欲など(大なり小なり誰もが持ってるあるある感)からの、様々な感情が溢れ出して、次第にそれぞれの人間関係に不和が生じる。

 

出演者は、俳優なのか素人なのかもわからない、一般的にはほぼ無名のキャストが演じているが、演技がリアル過ぎて、どこまでが演技なのかドキュメントなのかわからないほどシーンが生々しい。

 

本当にこういう人たちは現実にもいるが、あえて寄せて演技してるのか、そういう人達を集めてきたのかは、よくわからないが、完全に役に成りきれてる。

 

ちなみに、出演者の演技?もすごいが、この作品のオチ含む全体の脚本も計算されていて、かなり良く出来ている。

 

適当に見てると、ただのチープ(低予算)な変なドラマにしか思えないが、徐々に壊れていく人間関係の破綻など、緻密に計算されていて、後半になるにつれ、それぞれのカップル間(友情)が全体で盛り上がるようにもなっている。

 

そして、なんと言っても、誰一人全く共感できないような登場人物のはずが、すったもんだあった後半では、そこそこ共感したり感動させられてしまうところだろう。

 

まったく他人事で描いていれば、最後まで見ても、何も感じないと思うが、ある状況においてそれなりに共感が生まれているのは、に人間がちゃんと描けていて、物語としてよく出来ている証拠だと思う。

 

139分とそこそこ長い作品だが、後半になるにつれ、いつまでも見てられそうなスルメ感もある。

 

この訳のわからない8人の行く末が意外と気になってしまう。

 

ナオキ(弟)は最後までどうしようもないし、コウジ(兄)に関しては、最初からずっとどうしようもない。

 

ナオキが語る、浮気の理論(まず絶対的彼女がいて…)は、話のネタとしてぜひもっておきたい。

 

 

評価 ★★★★☆ (星4.5)

 

(まとめ:映像はチープだが、物語としての完成度(人間関係の描写の濃密度)はめちゃくちゃ高い群像劇の傑作。大学生や20代で一人暮らしや同棲してるなら、誰もが経験したことがある、恋愛のあるある話(人間のダメさ)を、ここまでド直球に生生しく描いてる作品は、他にないかなと思う。他はもっとオブラートに包んで、詩的に描いたり、格好良く見せたりしている。これは原液か、濃縮果汁です。濃縮還元で水で戻してもいない。最初の15分我慢できれば、最後まで見る価値は十分あります。)

 

 

>>恋の渦

 

 

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映画「ある男」の感想(ネタバレ)

 


■監督:石川慶
■出演:妻夫木聡 安藤サクラ 窪田正孝 柄本明 真木よう子 仲野太賀 清野菜名

 

映画「ある男」のあらすじ

 

弁護士の城戸は、かつて離婚調停を請け負った女性・里枝から、奇妙な話を聞かされる。離婚後、故郷に帰った里枝は、そこで大祐と名乗る実直そうな男性と出会って彼と再婚し、幸せな家庭生活を送っていたが、ある日、大祐が不慮の事故で急死。ところが法要に訪れた大祐の兄が、遺影を見てこれは自分の弟ではないと告げ、思いも寄らぬ事実が判明したのだった。かくして城戸は、身元不明の<ある男>の正体を探るべく調査を開始する。

 

※WOWOWから引用 https://www.wowow.co.jp/detail/191579

 

【映画「ある男」の感想(ネタバレ)】

 

芥川賞作家・平野啓一郎の同名小説を、「愚行録」の石川慶監督が妻夫木聡主演に映画化し、第46回日本アカデミー賞で最優秀作品賞、最優秀監督賞ほか、主要8部門の最優秀賞に輝いたという人間ドラマ。

 

タイトルに惹かれて見てみた。

 

内容は、タイトルにあるとおり、”ある男”の所在を探る話。

 

人探しが目的なので、物語としても興味性があり、感情移入もしやすい。

 

また、単純な人探しに終わらず、日本社会の問題も取り入れていて、視点も広い。

 

映像化した部分については、日本のアカデミー賞の最優秀賞(作品賞、監督賞ほか)を何個も受賞してるが、シーンの見せ方での心理描写は巧みで、映像や音の使い方がかなり上手い。演出面でよりそれらが強調されている。

 

 

評価 ★★★☆☆ (星3.5)

 

(まとめ:社会派ドラマでありながら、ミステリー感もあってバランスが良い良作ドラマ。123分という作品だが、1.5倍速で見たが、退屈する感じはない。ある男の所在については、比較的早い段階(中終盤)でわかるが、最後の最後まで一応、緊張感を残している。ミステリーが好きなら見といても良い作品。個人的に子役の少年の演技が涙を誘うほど上手い。)

 

 

>>ある男

 

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映画「そばかす」の感想(ネタバレ)

 


■監督:玉田真也
■出演:三浦透子 前田敦子 伊藤万理華 伊島空 北村匠海 田島令子 坂井真紀 三宅弘城

 

映画「そばかす」のあらすじ

 

静岡県浜松市。30歳の佳純にはチェリストになる夢があったが、断念して実家に戻り、母親・菜摘、うつになりがちな父親・純一、結婚して妊娠中の妹・睦美、祖母・宮子らと暮らし、コールセンターで働いている。菜摘は佳純が早く結婚するよう望むが、佳純はずっと恋愛に興味が無かった。やがて佳純は菜摘が話を見つけてきたお見合いをするが、相手の翔も自分と同じように結婚をしたくないと思っていて、彼と友人同士になるが……。

 

※WOWOWから引用 https://www.wowow.co.jp/detail/191330/-/01

 

【映画「そばかす」の感想(ネタバレ)】

 

放送作家のアサダアツシが企画・原作・脚本を担当し「僕の好きな女の子」の玉田真也監督が「ドライブマイカー」の三浦透子主演で描いた人間ドラマ。

 

バカリズム主演、脚本のドラマ「架空OL日記」に出てた人が主演してたので見てみた。

 

内容は、恋愛や結婚に興味がない実家暮らしのアラサー女性の日常を描いた話。

 

どちらかというと最近流行り?の多様性を描いた作品のひとつになるが、テーマが同性愛ではないところが新たな角度かなと思う。※最近は多様性と言えば、同性愛(LGBT)の話ばかりで、いいかげん食傷気味なので。

 

ドラマとしては、家族(友人や会社)からいちいち結婚や恋愛についてとやかく言われやすい、実家暮らし、未婚のリアルな日常を描いているので、共感するところは多い。

 

決してアイドル的な見た目ではないヒロイン(三浦透子)ではあるが、未婚女性が抱えるすべての社会問題を一手に引き受けていて、その中をなんとか必死に生き伸びている姿には、それなりに物語としての哀愁と面白さを秘めている。

 

ヒロインをアイドル的に好きになることはないが、どうにか幸せになって欲しいという願いで。

 

ラストは、そういった意味では、恋愛や結婚の可能性は今後も無さそうだが、少し希望が持てる着地を見せていて、好感度はある。

 

 

 

評価 ★★★☆☆ (星3.2)

 

(まとめ:多少多様性からの暴走が見られる三浦透子主演の人間ドラマ。最近は少数派の意見をなんでも社会が取り入れることが正義みたいな風潮があるが、その中身についてはよくよく吟味する必要がある。この作品は、その辺では、多様性に振りつつも、社会とのバランスは保たれていると思う。架空OL日記を見てる人には、三浦透子の他にも、佐藤玲も出ているので、共演シーンは一瞬、架空OL日記っぽさがあります。)

 

 

>>そばかす

 

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映画「blank13」の感想(ネタバレ)


■監督:齊藤工
■出演:高橋一生 松岡茉優 斎藤工 神野三鈴 佐藤二朗 リリー・フランキー

 

映画「blank13」のあらすじ

 

コウジには恋人サオリがいてつつましく暮らすが、13年前、借金を残して蒸発してから音信不通だった父親・雅人が、余命3カ月で入院中だと知る。コウジの母親・洋子も兄ヨシユキも、ギャンブル好きで家族を困らせた雅人との再会を拒むが、コウジは病院へ。しかしそこで金を無心され、コウジはあらためて雅人に絶望する。雅人は亡くなり、その葬儀が開かれるが、コウジは雅人の数少ない友人たちから父親の意外な真実を知らされる。

 

※WOWOWから引用 https://www.wowow.co.jp/detail/114155

 

【映画「blank13」の感想(ネタバレ)】

 

放送作家、はしもとこうじの実体験を下敷きに俳優の斎藤工が長編映画初監督、出演した人間ドラマ。

 

斎藤工が監督した作品を見つけたので見てみた。

 

斎藤工に関しては、短編作品ですでに多く監督していて、WOWOWでも何本か放送していて見たことがあるが、自主映画的な低予算作品ということもあってか、映画作りに対する情熱は感じるものの、作品としてはあまりぱっとせず、これまで見た作品では特に印象には残っていない。

 

今回の作品も、そんな過去作のイメージに引っ張られて、期待はしていなかったのだが、そのハードルが下がってる状態が良かったのか、この作品(blank13)に関しては、過去に見た作品とはまるで別物で、出演者が豪華という事もあるが、普通に映画として見れるし、中身も非常に良く出来ていると思った。

 

内容的には、借金を抱え、ある時、蒸発したろくでもない父親の半生(葬儀まで)をその家族(母と息子ら)の目線で描くというシリアスなドラマであるが、実際は、そのシリアス設定をフリにして笑いを取るコメディである。

 

笑いのタイプ的には、松本人志の笑いの影響をものすごく感じる作風で、そういう笑いが好きな人には、非常に楽しめる映画(状況の微妙なおかしさに気づける人には)になっている。

 

ちなみに、こういう作品を狙って作ろうとする、監督もたまに見かけるが、お笑い芸人ではないため、意外と狙いすぎてしまって逆に笑えなかったり、そもそも笑いのセンスがなかったりして失敗してる映画をよく見るが、この作品は、非常に笑いのセンスを感じる個人的には、笑い的には不満のない出来栄えだと思う。

 

特に後半の葬儀のシーンは、佐藤二朗をまとめ役にしつつ、かなり俳優たちの自由演技みたいな状態になっているが、映画としては、ギリギリ?破綻することなく、一応、映画の体裁を保ったまま、エンディングは迎えている。

 

この辺の映画としてのバランスを保つ感覚は、笑いを狙いすぎるあまり毎回破綻している福田雄一監督よりも巧みだと思う。

 

あえて最初に、火葬の説明をしたり、高等な映画に見せてるところなど、フリの部分をしっかりやってるところは、よく考えられてると思う。笑いは、ボケ以上にフリの部分が大事なことをよく理解している。

 

最後に、個人的に笑いとして面白かった部分だが、後半の葬儀のシーンは、誰にもわかりやすい笑いで良いと追うが、それよりも前半部分の、カレーを食いながら居留守を決め込むシーンや、母親が新聞配達のバイトをするシーンは、なかなか高度な笑いの入れ方だと思う。※母親は、普通チャリに乗って新聞配達はしないし、そもそも新聞配達をするようなタイプのお母さんじゃない(笑)

 

こういうところに気づけるかで、この映画が全体として楽しめるかどうか判断できそう。

 

 

評価 ★★★★☆ (星4つ)

 

(まとめ:笑いの好みで評価が分かれる齋藤工の長編初監督作。シリアスな中にある笑いを楽しみたいならかなりおすすめの作品。言ってしまうとガキの使いの笑ってはいけないと同じ状況を映画の中で作っている作品でもある。最初の方は、薄くやってるが、後半は、完全に笑かしに来ている。これを感動作品とかだと思ってる人は、斎藤工の意図がわかってない。感動なんてのは、ただの体裁で、どれだけ笑かせるかの方が大事。喪主の言葉で急に途中退席するのも、狙ってやっている。)

 

 

>>blank13

 

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映画「ステップ」の感想(ネタバレ)


■監督:飯塚健
■出演:山田孝之 田中里念 白鳥玉季 國村隼 広末涼子 伊藤沙莉 川栄李奈

 

映画「ステップ」のあらすじ

 

結婚してわずか3年、30歳の若さで愛妻を病気で失い、まだ1歳半の娘・美紀とともにこの世に取り残された武田健一。妻の両親から美紀を引き取って面倒を見ようかと言われたものの、健一は自らの手で娘を育てることを決意。会社のトップセールスマンだった彼は、その実力を買う上司の反対を押し切って営業部から事務の仕事に異動し、保育園から小学校卒業まで、朝夕、娘・美紀の通学の送り迎えをしながら、懸命に子育てに励む。

 

※WOWOWから引用 https://www.wowow.co.jp/detail/172340/-/01

 

【映画「ステップ」の感想(ネタバレ)】

 

重松清の同名小説を、「虹色デイズ」の飯塚健監督が山田孝之主演で映画化した人間ドラマ。

 

山田孝之がシングルファーザー役に挑戦してたので見てみた。

 

内容は、1歳半の娘が小学校を卒業するまでを描く父親の子育ての記録。

 

1歳半から保育園に通わせてるあたりは、残業できない仕事と子育てに挟まれて本当に大変そうで、地獄のような日々に思えたが、娘が小学生になって、子供と会話が出来るようになると、シングルファーザーでもそこそこ楽しい感じに見えてくる。

 

ちなみに親子が楽しそうに見えるのは、娘役の子役の子が、小学校低学年と高学年で二人の子を使っているが、どちらもそれぞれ溌溂としていて、好感度があるところだろう。

 

特に低学年の時の子役は、小学生とは思えない程しっかりしていて、妙な安心感がある。

 

個人的には、終盤で義父が倒れるまでは、普通に見れるが、最後らへんで義父の病気や再婚に向けて、変にお涙頂戴感(感動作を出そうとする)を全面に出してきたあたりから、テンポが悪くなり、義務的な感じがして面白くなくなる。

 

結局のところ、物語のまとめに入る手前位までで終わってれば、それなりに良かったかなと思う。

 

最後は減点対象です。

 

それと、再婚相手候補が広末涼子なのも、少し前の私生活騒動(不倫騒動)を知ってしまってる今、見ると、別の女優の方が良かったと思う。

 

 

評価 ★★☆☆☆ (星2つ)

 

(まとめ:子育て映画としては、好感度は高いが、後半のお涙演出が気になる山田孝之主演作。個人的には、亡き妻に外見がよく似た、喫茶店のバイト?の子(川栄李奈(亡き妻役も同じ))と再婚するのが一番最善じゃないかと思う。普通に考えるとそんなドッペルゲンガーみたいな偶然はないと思うが、この設定を普通に物語に入れてつつ、途中で適当に使っては、その後は何事もなかったようにスルーしてるのはよくわからない。普通なら義理の両親と一度会わせてみたりとか、いろいろビックリ企画をしたくなる。)

 

 

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映画「TELL ME〜hideと見た景色〜」の感想(ネタバレ)


■監督:塚本連平
■出演:今井翼 塚本高史 JUON 津田健次郎 細田善彦 田島令子

 

映画「TELL ME〜hideと見た景色〜」のあらすじ

 

1998年5月2日、hideは急逝し、葬儀には約5万人のファンが訪れ、社会現象となった。彼のマネジャーである弟・松本裕士も深く悲しむが、制作途中だったアルバムや、既に決定していたhideのバンド“hide with Spread Beaver”の全国ツアーを実現し、兄の音楽を世に届けようと、hideの共同プロデューサーI.N.A.らと、行動を起こす。だが、さまざまな困難が彼らを待ち受けていた……。

 

※WOWOWから引用 https://www.wowow.co.jp/detail/186734/-/01

 

【映画「TELL ME〜hideと見た景色〜」の感想(ネタバレ)】

 

hideの実弟の著作「兄弟 追憶のhide」を原作に今井翼、塚本高史ら共演で映画化した人間ドラマ。

 

知らないところでhideの映画が作られ、WOWOWで初放送してたので見てみた。

 

内容は、hideのマネージャーでもあった実弟の目線で語る、生前のhideと彼亡き後のバンドメンバーや関係者の活動を描いた話。

 

最近では、X JAPANの活動が開店休業状態であるためか、hideの名前も昔から比べると大分聞く機会が減っていたが、その裏では、死後25年が経とうとするなか、伝記的な映画が作られていたようで、イチhideファンとして、内容は別にして、話題が提供されることは単純にうれしい。

 

ただ、実際、期待して見てみると、出演者が、有名どころが今井翼、塚本高史しか出てなく、脇役も知ってる顔はいるものの、絵的に見ると出演陣が大分弱い印象がある。

 

期待のhide役にしても、自身もロックギタリストのJUONが演じているが、名前はどこか聞いたことがあったが、顔までは知らず、個人的には、誰?っという感じであった。

 

仮に、当時、亡くなって数年以内に映画化されていたようなら、hideは、もちろんのことだが、バンドメンバー、関係者すらも、主役級の有名どころの若手俳優で、全員揃えていただろうと思うと、やや映画としてのマイナー感(低予算感)は否めない。

 

ぱっと見、この映画の印象は、あれ?(ちょっとしょぼい?)と感じる部分はあったものの、見ていくと次第にこの世界観に慣れてきて、中盤以降は特に気にならなくなってくる。

 

っというか、脇役に華がある出演者を使っていないことが逆に、hideという大きな華を失った彼亡き後の喪失感という部分が、あまり有名でない地味なキャストばかりを使ってることで、より喪失感が強調されていたように思った。

 

ちなみに、JUONのhide役に関しても、始めは、外見しかり、モノマネタレントの方が外見が似てるんじゃないかという位、外見は別物で全然似てないなと思っていたが、見てるうちに慣れてきて、次第にhideのような気もしてくる。

 

ハリウッドザコシショウの誇張したモノマネシリーズがあるが、本物とは全然似て非なる外見やモノマネであっても、ずっと見てると、本物の方が、偽物に近づいてくるような錯覚を感じることがあるが、それと近い感覚になった。

 

ちょっとした一部の似た特徴(動作)が広がって、それが全体に侵食していく。

 

最終的に思うのが、この作品を見終わった時に、hideは、動画としては、何一つ本人が新たに語ってはいないはずだが、hideが再び20年の時を経て、生き返り新たにメッセージを残してくれたような。そんな気にさせてくれた。

 

 

評価 ★★★★☆ (星4つ)

 

(まとめ:チープさはあるが、hideファンには必見の音楽伝記ドラマ。今聞いてもhideの音楽は、全く古臭くない。そして、この時代(1980〜90年代)は、音楽しかり人間がポジティブで元気だったなと今となって無性に思います。夢があったというか。成功してアメリカに行くとか、夢が無限大に大きく感じれたが、今は、成功したところで??だし、アメリカ自体がロクな国じゃない(笑))

 

 

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映画「Winny」の感想(ネタバレ)


■監督:松本優作
■出演:東出昌大 三浦貴大 皆川猿時 和田正人 吉田羊 吹越満 吉岡秀隆

 

映画「Winny」のあらすじ

 

2002年。プログラマーの金子勇は高い匿名性を持つ革新的なファイル共有ソフトWinnyを開発、公開する。だがWinnyは映画や音楽、ゲームなど違法コピーされたファイルのやりとりの温床となり、社会問題に発展していく。やがて矛先は金子に向けられ、彼は事態を予見できたはずだとして著作権法違反幇助の容疑で逮捕されてしまう。この報を受け、サイバー犯罪に詳しい壇俊光率いる弁護団が金子の弁護を引き受けるが……。

 

※WOWOWから引用 https://www.wowow.co.jp/detail/191631

 

【映画「Winny」の感想(ネタバレ)】

 

「コンフィデンスマンJP」シリーズの東出昌大を主演に描いた実録社会派ドラマ。

 

ファイル共有ソフト”ウィニー”を題材にした映画が知らない間に作られWOWOWで初放送してたので見てみた。


内容は、著作権違反で訴えられたウィニーのソフト開発者:金子勇の半生を描いた話。

 

PCに詳しい人は、この事件の顛末をネットニュースなどで時々流れてくるので知ってる人も多いと思うが、実はかなり悲しい結末を迎えている。

 

結論としては、著作権法違反幇助で一度有罪となったものの、最高裁(高裁でも無罪)では、無罪(確定)となっている。

 

そもそも蓋を開けて見ると(事実関係を整理すると)、最初から彼は無罪なのだが、警察の不当な捜査(取り調べ)によって、なぜか開発者が責任を負わされる事態になる。

 

ちなみに、結論としては”無罪”を獲得できたので、汚名を払拭し、科学者の未来も保証されることになったが、この最高裁判決の約2年後に開発者が42歳の若さで急死している。

 

開発者の金子勇さんは、プログラムの分野では、かなりの天才だったらしく、ウィニー自体も、画期的なアイデアだったようで、この分野に詳しい人の話だと、この著作権騒動によっては、彼の創作が数年間中断することになったことは、日本の国益にとっても大きな損害だったと言われている。しかも42歳で亡くなってるし、その後の活躍を考えると本当に惜しい。

 

日本は、この著作権騒動に関わらずだが、政治家や行政機関(官僚含む)が、日本国民の利益をひたすら邪魔してることには、枚挙にいとまがない。

 

誰もが知るところで、口を開けば、増税、インボイス(結局増税と生産性が全く無い経理負担)に始まり、外国企業や、外国人留学生に補助金、外国人に生活保護支給、一方で、日本の農業、畜産業、科学技術予算(大学研究費等)の少なさなど、知れば知るほど嫌になってくる。

 

この映画では、特に警察の不正の細かい顛末が描かれている。著作権の裁判とは別に警察の裏金作りも少し出てくるが、そちらが中途半端なところで終わっているのはもったいない。

 

ただ、開発者の取り調べでの落ち度もあり、その部分はあまり褒められたものではないが、日本もアメリカを見習って、取り調べの際には、毎回弁護士が同伴できるようにはした方が良い。それが出来なければ、最低限、取り調べ中は、録画する。

 

そうすればこういった自白強要のような冤罪も減るでしょう。

 

評価 ★★★☆☆ (星3.4)

 

(まとめ:ウィニー事件の顛末もわかるし、映画としても良く出来てる良作実録ドラマ。不倫で世間を騒がせた東出昌大が主演してるが、制作陣からの信頼は厚く、大作映画こそ呼ばれてないが、地味な映画にはよく出演していて、結構いい味を出している。この作品でも、開発者の特徴を捉えていて、どこか抜けてる役柄を上手く演じている。)

 

 

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映画「ラーゲリより愛を込めて」の感想(ネタバレ)


■監督:瀬々敬久
■出演:二宮和也 北川景子 松坂桃李 中島健人 寺尾聰 桐谷健太 安田顕

 

映画「ラーゲリより愛を込めて」のあらすじ

 

第2次世界大戦終了後、ソ連のシベリア。旧日本軍の兵士・山本はロシア語を使えるが、身に覚えのないスパイ容疑をかけられてしまい、ラーゲリ(強制収容所)に入れられる。その劣悪な環境の中、山本は日本にいる妻モジミや子ども4人と再会する日を夢見ながら、他の拘留者たち、松田、元軍曹の相沢、若い新谷、同郷の先輩・原らを励まし、誰もがダモイ(帰国)の日を待ち望む。終戦から8年後、山本の体は病魔に侵されていて……。

 

※WOWOWから引用 https://www.wowow.co.jp/detail/191910

 

【映画「ラーゲリより愛を込めて」の感想(ネタバレ)】

 

辺見じゅんの小説「収容所(ラーゲリ)から来た遺書」を「64‐ロクヨン‐」の瀬々敬久監督が二宮和也、北川景子ら共演で映画化した人間ドラマ。

 

最近では珍しく邦画の戦争映画が作られていたので見てみた。

 

内容は、第二次大戦後、不当にソ連(当時)のラーゲリ(強制収容所)に送られた日本兵らが過酷な労働を強いられながらも、帰国を夢見て、ひたすら耐え忍ぶ姿を描いた話。

 

映画の中では特に強調されていないが、原作は、ノンフィクション賞を受賞してることもあって、実話がベースの物語のようである。

 

個人的に、日本兵+実話+戦争の話ということだけでも、感動は必至な内容であるが、実際の物語に関しても日本人ならではと思われる言行が描かれ、かなり感動的である。

 

ただ、後半は、演出的にもお涙頂戴的な、邦画の感動作ならではの感動の押し売り感が見受けられ、見ててややしつこい感じはある。

 

ちなみに、ネタバレになるが、この作品は、同僚の書いた遺書をソ連兵に没収されてもいいように仲間がすべて内容を記憶して、遺族に直接口頭で届けるという話であるが、4人で内容を分担し、4人が別々に送り届ける描写がラストにあるが、それぞれシーンがあるため、内容は違えど、以下同文のようになってしまっている。

 

また、物語とは関係ないが、どうしても、記憶して遺族に届けるというミスが許されない真剣な側面もあるため、実際にちゃんと一語一句覚えられたのかという、いらぬ心配が過ってしまう。

 

もちろん映画なので、そこでの失敗パターンは一切描かれることは無いが、実際は、どうなのかと想像すると、不謹慎にもニヤけてしまう。全員が記憶に強い訳では無さそうだし。

 

また、遺書の書き順通りに、仲間が訪ねてこない場合もあるし、それほど大事な件なら、4人で別々に届けずに、帰国が決定するなり、まずは、4人全員で遺書を先に届けた方が良いんじゃないかとか、そんなことばかりが過ってしまう。

 

とにかく、繊細で感動的な話とは別にパロディにしたら面白くなってしまう要素が、後半に満載している。

 

ちなみになぜこんなことを考えてしまうのかは、やはりというか、映画としての戦争のリアリティが全体的に感じにくい部分がある。テレビドラマ(スペシャルドラマ)とさほど変わらない出来である。

 

俳優しかり演出しかり、出演者は個々に頑張っているが、ほぼ全員戦争を知らない世代のため(見てる自分もそうだが)、戦争(強制収容所)の緊張感というか鬼気迫る感じが、映像からあまり伝わってこない。

 

ある部分では、ここが強制収容所?と勘違いするほどのんびりした感じもある。ソ連兵もそこそこいい人そうなところもあり、居心地も良さそう。

 

全体的に強制収容所というオープンセットを使った中での演劇を見せられてるという部分から抜けれていない。その辺がマイナス要因かなと。それと背景にCGを使ってる部分は仕方ないが、作りもの感がしてしまうのももったいない。

 

 

評価 ★★★☆☆ (星3.2)

 

(まとめ:物語は言う事が無いが、映画としては邦画の戦争映画にありがちなパターンのドラマ。2022年の作品なので、ちょうどロシアVSウクライナ(西欧)に合わせて作られたような気がしないでもないが、個人的にロシアの脅威は言うまでも無いが、当時、ソ連が日ソ中立条約を破って侵攻してくる時には、しっかりアメリカの了解があってというか、アメリカがけし掛けたことによって、ソ連が侵攻してきてることは、忘れてはいけない。ロシア(ソ連)が悪を言うのは良いが、アメリカの方が日本にとっては、より悪(原爆、東京大空襲)という事実(しかも現在も占領中)は、もっと強調しておくべきこと。日本にとっては、どちらの問題も考えなきゃいけない。)

 

 

 

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映画「君は永遠にそいつらより若い」の感想(ネタバレ)


■監督:吉野竜平
■出演:佐久間由衣 奈緒 小日向星一 笠松将 葵揚 森田想 坂田聡

 

映画「君は永遠にそいつらより若い」のあらすじ

 

児童福祉職への就職も決まり、卒論に追われる女子大学生の堀貝。周囲からは変わり者と思われている彼女だが自覚はなく、続けてきたバイトもあと少しで辞めるため、学校と下宿を行き来するだけのだらだらした毎日を送っていた。あるとき、彼女は友人に頼まれた授業に出席できず、後輩の女子・猪乃木にノートのコピーを取らせてほしいと頼む。このことをきっかけに、堀貝は過去に痛ましい経験を持つ猪乃木と奇妙な関係を紡いでいく。

 

※WOWOWから引用 https://cdn.wowow.co.jp/detail/176588/-/01

 

【映画「君は永遠にそいつらより若い」の感想(ネタバレ)】

 

芥川賞作家・津村記久子のデビュー小説を、佐久間由衣、奈緒共演で映画化した人間ドラマ。

 

意味深なタイトルに惹かれて見てみた。

 

内容的には、漠然と将来に不安を持つヒロインの人間関係とこれから携わる児童福祉職に対する決意を描いた話。

 

映画としては、恋愛に奥手なヒロインに寄り添った演出で、共感はしやすく、後半になるにつれシリアスさが高まるので、それなりに話に没入感はある。

 

ただ、ところどころ、セクシャルな会話やエピソードがあるので、その部分は好みがわかれるところだが、そういった小ネタのような何気ないエピソードでもそこそこ見れてしまうので、等身大の大学生を描けてるともいえる。

 

一方で、奈緒(猪乃木)の衝撃的な過去や、知り合いの突然の死などは、そんなふわふわした世界観に対して、作品としての目的を持たせている。

 

個人的に、知り合いの男の突然の死などは、ヒロインの児童福祉職に対する決意のためのフラグ的な意味合いが強く、なぜ彼が虐待されてる近所の少年を残したまま、先に死ぬのかはやや理解に苦しむ。

 

一応、理由としては、善意で保護してたのが、誘拐として処理されてしまう社会に絶望したのが原因と勝手に想像するが、作品の役割としては認めるが、やや腑に落ちない。善意が受け入れられない社会に対する反抗だとしても、彼が死んだことで少年はマイナスしかない。

 

ちなみに、そこからの関連で、同じような精神状態の奈緒(猪乃木)をヒロインが救おうとする行為も描かれるが、時間軸が短いので、本当に救えたのかわからず、中途半端な感じはある。

 

 

 

評価 ★★★☆☆ (星3.2)

 

(まとめ:等身大の大学生は描けてるが、ややテーマが散らかってる佐久間由衣主演の人間ドラマ。気になるタイトルの意味も、ヒロインのセリフの一部であることがわかるが、この作品に対して、そこなのかは、意味合いはわかるが、それほど決まってる感じはない。)

 

 

 

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映画「ヤクザと家族 The Family」の感想(ネタバレ)


■監督:藤井道人
■出演:綾野剛 舘ひろし 尾野真千子 北村有起哉 市原隼人 磯村勇斗 岩松了 豊原功補 寺島しのぶ

 

映画「ヤクザと家族 The Family」のあらすじ

 

1999年。不良少年の賢治は偶然からヤクザである柴咲組の組長、柴咲と出会い、その子分となる。2005年、柴咲組で出世した賢治だが、組は敵対する組織、侠葉会との抗争が激化し、賢治は自分の家族のようになった組を守ろうと決意する。2019年、懲役を終えて刑務所から出所した賢治は、自分の組の存続が危ういことに衝撃を受ける。また14年前に好意を寄せたホステスの由香と再会するが、彼女の娘の父親が自分だと知る。

 

WOWOWから引用

 

【映画「ヤクザと家族 The Family」の感想(ネタバレ)】

 

「新聞記者」の藤井道人監督が、綾野剛、舘ひろし、尾野真千子ら豪華共演で描いた人間ドラマ。

 

ヤクザモノ作品ということで選んでみた。

 

内容的には、ヤクザの組長を助けた縁がもとで命拾いし、のちにその組の組員となった主人公の繫栄と衰退の20年を描くというもの。

 

”ヤクザと家族”というタイトルからもわかるが、組員同士の絆(親子兄弟関係)をテーマに、ヤクザしか出来ない不器用な男たちの人生とその末路(終焉)がそれぞれの立場で生々しく(痛々しく)描かれて、号泣するほどでは無いものの、結構涙腺を刺激される内容になっている。

 

熱い仁義ものが好きなら、十分その内容を満たしていると思う。

 

出演者も、市原隼人や磯村勇斗など、脇役の存在感もあり、ラストで魅せる演技は言葉以上に表情から伝わってくるものがあり、印象に残る。またその他のキャストも配役、演技は素晴らしい。

 

個人的に舘ひろしの組長役だけがやや疑問に思うところがある。通常の優しいシ−ンは良いが、声を張りあげる緊張感のあるシーンは、組長としては微妙に迫力不足(大根演技=元石原プロの俳優らしい)かなと感じる。

 

敵対組員の豊原功補の方が役に嵌っていて、ヤクザの怖さがある。

 

唯一、ヒロインとして出てる尾野真千子は、別の作品で何度も見たような不幸な女役をこちらでもやっているが、相変わらず説得力がある。

 

 

評価 ★★★☆☆ (星3.8)

 

(まとめ:賞を取った”新聞記者”よりも断然こちらの方が面白い、綾野剛主演、藤井道人監督作。個人的に今まであまり評価していない藤井道人監督作の中では、一番おすすめな作品かなと思う。ヤクザ作品としては、王道な物語のパターンではあるが、それとは別に1カット撮影など見せ方に拘った部分もあり、映像は見どころも多い。煙突から煙が出る街の風景などの街並み紹介に使う数秒の挿入素材シーンの映像センスが良い。夕陽のシーンは特に良い。)

 

 

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