- 2023.09.23 Saturday
映画「少年の君」の感想(ネタバレ)
映画「少年の君」の感想(ネタバレ)
■監督:デレク・ツァン
■出演:チョウ・ドンユイ イー・ヤンチェンシー イン・ファン ホアン・ジュエ ウー・ユエ
映画「少年の君」のあらすじ
母子家庭に育ち、母親が日夜働いて懸命に学費を稼ぐ中、進学校に通う高校3年生のチェン・ニェン。全国統一の大学入試が近づき、学内の空気もいよいよ殺伐とする中、クラスメイトがいじめを苦に自殺し、チェン・ニェンが次のいじめの標的とされる事態に。そんな折、街中で集団リンチに遭っていた不良少年のシャオベイをチェン・ニェンが偶然助けたことから、今度はシャオベイがひそかに彼女のボディーガードを務めるようになる。
※WOWOWから引用 https://www.wowow.co.jp/detail/177004
【映画「少年の君」の感想(ネタバレ)】
第39回香港電影金像奨で作品賞、監督賞ほか8部門を受賞した「サンザシの樹の下で」のチョウ・ドンユイが主演した青春映画。
痛切な青春映画の傑作。という番組情報に惹かれて見てみた。
内容は、いじめをテーマにした中国(香港)の学園モノ作品で、厳しい受験戦争の中いじめの標的となってしまったヒロインの高校卒業までの過酷な日々を描くというもの。
こちらの作品、香港の映画祭で、作品賞ほか8部門と多数受賞しているのだが、それも十分頷ける内容。
個人的には、作品としてほぼパーフェクトと言って良いほどの高いクオリティ(全体の構成が素晴らしい)を出しながらも、映画(エンタメ作品)としても、最後までオチが気になるほどに興味性も持っている。
感情移入、没入感という目線でも、中盤から後半になるほどに、共感が増え、どんどん緊張感が高まっていくし。
ちなみに、いじめをテーマしているが、実は、恋愛の方が主テーマであり、この恋愛(純愛)の完成度が、ビックリする位、良く出来ている。完全に二人の世界を構築できているだけでなく、最初と後半で対となっているキスシーンに関しては、これほど深く切なく自己犠牲が伴った背景に意味があるキスシーンは、たぶん今まで他に見たことが無い。
個人的には、このラストのキスシーンを見た時に、アイデアとしての優秀さに、してやられたという敗北感すら感じた(笑)
この作品は、何個か対になっているシーンがあるが(例えば最初の”喪失感”を説明する英語の授業から始まり)、ここにもひとつの流れとして、繋がりを持たせていたかと思うと、作品としての完成度の高さに痺れます。
最初は、ボコられてた知らない少年を助けるために少女はキスをし、最後は、そんな彼女の人生を救うために男は、キスをし返すという。とにかく切ない。
もともと、普通の映画としてレベルの高さは、最初から見ていくほどに感じるが、すべての内容(素材)が明らかになってみると、予想以上にいろんな中身(テーマ)が入っていたなとそう感じます。※このヒロインの話もさらっと実話でもあるようだし。
評価 ★★★★★ (星5つ)
(まとめ:純愛としては、最高峰の内容だと思うチョウ・ドンユイ主演の青春映画。いじめ、受験戦争、貧困などテーマは多岐にわたってるが、個人的には、それらからの唯一の救いになる、恋愛部分をあえて強調したい。この部分が一番好きなので。個人的には、ラストは、男が罪を被ったまま数十年後に二人が再会するパターンの方が、より恋愛作品として見たかったかな。人それぞれ感想はあると思うけど、とにかくおすすめです。それとこの監督は、要注目ですね、他の作品を見つけ次第見ます。)
>>少年の君
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