映画「俺俺」の感想(ネタバレ)

  • 2020.09.19 Saturday
  • 11:47

■映画「俺俺」の感想(ネタバレ)


■監督:三木聡
■出演:亀梨和也 内田有紀 加瀬亮 キムラ緑子 高橋惠子 ふせえり 岩松了


【映画「俺俺」のあらすじ】

家電量販店で働く青年・均。ある時彼は、出来心からハンバーガー店で隣に座った会社員の携帯電話を盗み、大樹というその会社員に成り済ましてオレオレ詐欺を働いてしまう。以来、彼の周囲では奇妙な出来事が起き始める。なぜかアパートの部屋に大樹の母親が来て、均を大樹と信じて疑わず、逆に均の実家には、別の“俺”がいた。やがて均の周りには、会社員や大学生など、立場こそ違うが同じ顔をした“俺”が増殖していき……。

WOWOWから引用


【映画「俺俺」の感想(ネタバレ)】

 

星野智幸の同名小説をTVドラマ「時効警察」シリーズの三木聡監督がKAT−TUNの亀梨和也を主演に迎えて映画化したコミカルサスペンス。

 

亀梨和也が出てたので見てみた。

 

オレオレ詐欺を働いたことから不条理なことが起きるというサスペンスだが、世界観としては、”世にも奇妙な物語的”な雰囲気があり、サスペンスとしてはなかなか興味深い内容ではある。

 

ただネタバレで言うと、オレオレ詐欺をしたら”オレ”と偽った相手の人生が自分の人生と入れ替わる部分のアイデアは、かなり素晴らしいのだが、それ以降が、興味が散漫になり、物語としての吸引力が結構落ちてしまった。

 

途中から急にコミカル路線(弱コメディ調)になったのと、必要以上に、オレが増殖し、不条理だけが漂う世界になって、現実感が乏しくなった。

 

そもそも途中から自分自身の周りだけでなく、社会の世界観(ルール)も変わっていったのは、話が飛び過ぎだろう。ほんとに世にも奇妙な物語のような話だ。

 

個人的に、この物語でいえば、やはり、”オレオレ”詐欺をした人間が他人の”オレ”に成り最初は戸惑いつつも、金持ちの他人を選び、いろんな俺になるも、意外と苦痛で、やっぱり貧乏でも本来の自分の人生に戻りたくなるが、なかなか戻ることが出来ない…というようなシンプルな話の方が、普通に興味が続いて良かったと思う。

 

個人的に、”オレ”が三人になった時点で、物語の興味から離れてしまった。

 

一応、最後まで見ると、実は、最初の時点から不条理が始まっていたのか?というような意味深な感じがあるラストになっているので、その辺の解説というか、個人的に思ったことを。

 

最終的に最後まで残った”俺”とは誰だったのか?

 

この物語のオチである。

 

とりあえず、ポイントは、黄色と赤の腕時計。

 

物語の主役とされる均(ひとし)は、最初、赤の腕時計をしているが、途中から自分との入れ替わりをさせるために、それをナオに渡し、自分は黄色の腕時計を嵌める。

 

時々、均に成り代わっていたナオ(実際このナオかどうかはわからないが)は、赤色の腕時計をしたまま大樹に殺されたことになり、その大樹は、ナオに成り代わって、均を殺しに来るが、均はその大樹を返り討ちにする。大樹はそれで死に最後に残ったのは当初からの主役の均となった。

 

この物語の流れ(理解)で行くと、最後には均が残ったことになるが、最後の母親との会話シーンにはどこか違和感があるし、最後の均と思われる”俺”が見せる表情にも意味深さがある。

 

この最後の表情をどう捉えるかによって、誰が最後に残ったのか結末は変わってくる。

 

最後に主役の均が残ったという単純な理解で行けば、ここの表情の理由は、いろいろあったことで、ようやく母親の事(下の名前で呼ぶ)も認めることが出来たというハッピーエンド的な表情としても見えなくもないが、一方で、上手く成り代われたしめしめという表情であれば、この最後は均ではない場合もある、

 

では、その場合は、一体誰が成り代わっていたのか。

 

個人的には、ナオもしくは、全く関係ない別の誰かということになる。

 

ナオが最後の場合の流れは、ナオが事前に身代わりを立てており、その人間を大樹がナオだと誤解して殺した場合、本物のナオは、まだ生きてる可能性がある。そもそも最初の削除(殺し)を始めたのは、ナオであり、自分が最終的に殺される対象になるのは、予想できるため、途中で均から預かった赤の腕時計を他の”俺”に渡すことで、ナオ自身の存在は消せるのだ。

 

身代わりのナオが死に、そのまま本物のナオは身を隠していれば、死んだことになっていて最後まで生き延びることが出来る。

 

均が死んだナオに成り代わった大樹を殺し、最後の均(俺)が決まったところで、ナオが均を削除すれば、均に成り代われる。

 

ちなみに、ナオが最後に残ったと思われる理由には、もうひとつ理由(伏線)があり。オレオレ詐欺を働いた後、均の家に大樹の母親が急に訪ねてきた後、自分の実家に戻ると、すでに大樹が成り代わっていて、実の母親からも他人扱いされ追い返されるシーンがある。

 

その際に、大樹は、昨日も同じように訪ねてきた人間(俺)がいてそいつを同じように追い返したと語る。本物の均は、昨日は家に帰っていないと答えるのだが、この時点ですでに、本物の均に成り代わろうとしていた人間が、大樹以外にも別にいたことがわかる。

 

さらにその人間は茶髪だったという。

 

ちなみに、ナオは、大樹に紹介され、本物の均と初めて会った時、自分が永野均だと強く言い張っている。この流れを回収すると、最後に残っていたのは均に成り代わったナオということがかなり濃厚に見える。

 

この場合、やはり、最後に自分の母親を下の名前で呼ぶことを頑なに嫌っていた本物の均が、マセエ”さん”と意味深に下の名前を”さん”付けで呼ぶのは気持ち悪く、誰かが均に成り代わっていたと考える方が、自然だろう。

 

ナオ以外の他人と言う可能性も否定できないが、最後に本物の均がしていた黄色の腕時計を嵌めるという演出が、ようやく本物に成り代われたという演出的意味合いがあった(今まではずっと借りた赤の腕時計をしていた)と考えると、最後は、ナオだったということが一番しっくりくる。

 

ということで、最後に残ったのは、ナオだと思われる。

 

 

 

評価 ★★★☆☆ (星3.4)

 

(まとめ:オレオレ詐欺からのアイデアが光るが、細かい部分がかなり惜しい不条理サスペンス。コミカル部分はいらないが、サスペンスとしては、もう一度見返したくなる要素(伏線)がある興味深い作品です。個人的には、内田有紀の魅力が出ていて、すでに40歳を超えているにもかかわらず、良さを改めて再確認させられたのは、この映画の発見。あとお母さん役の二人も妙に艶がある。)

 

 

 

俺が”俺”だ

 

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映画「悪魔(2018)」の感想(ネタバレ)

  • 2020.09.09 Wednesday
  • 18:27

■映画「悪魔(2018)」の感想(ネタバレ)


■監督:藤井道人
■出演:吉村界人 大野いと 前田公輝 遠藤新菜 山下容莉枝


【映画「悪魔(2018)」のあらすじ】

大学進学のために上京した佐伯は、閑静な住宅街にある林邸に下宿することに。そこには、大家である林千枝とその高校生の娘・照子、そして、林家の親戚筋の青年・鈴木が同居していた。照子は、佐伯の部屋をひんぱんに訪れては、彼の心をもてあそぶかのように自由奔放に振る舞って小悪魔的な魅力を発揮。その一方で、照子の婚約者と自称する鈴木は、佐伯に対し敵愾心を燃やして、照子には下手に近づかない方がいいと警告し…。

WOWOWから引用


【映画「悪魔(2018)」の感想(ネタバレ)】

 

 

文豪・谷崎潤一郎の短編「悪魔」「続悪魔」を基に「新聞記者(2019)」の藤井道人監督が映画化した文芸ドラマ。

 

下宿先で小悪魔的魅力の高校生の娘に翻弄されるというあらすじを見て選んでみた。

 

あらすじからもわかるが、どっちかというとアダルティな映画(ロマンポルノ的なジャンル)に該当する作品ではあるが、映像的なエロさで言うと直接的な表現は、控えめで、一般的な映画作品の中にとどまっている。

 

露骨にエロ(ヌード)を出してくる映画ではない。

 

ちなみにタイトルは、”悪魔”とつけられているので、どれほど、ヒロインが小悪魔的な要素(魅力)を出して、それによって主人公が破滅していくのかがひとつの見どころになると思うが、個人的な予想に反して、小悪魔さは感じるものの、悪魔と言うほどの内容かはかなり疑問が残る。

 

たしかに、結論から言えば、彼女の魅力の虜になった別の同居人:鈴木の嫉妬によって、刺されて死ぬ?運命になったので、そういう意味ではその原因を作ってるので、悪魔と評せるのかもしれないが、視聴者の立場から冷静に見ると、彼女だけがすべて原因かというと主人公にも精神的な問題があり、それも含めると、”悪魔”と言うにはかなり言い過ぎの面がある。

 

主人公本人の主観で言えば、そうなのかもしれないが。主観で良いなら、大分ハードルは低くなってしまう。

 

そもそも、主人公の男が、小悪魔的なヒロインに出会う前から幻覚を見る症状に悩まされている時点で、話が大分ブレてくる。

 

普通に考えるなら、一般的な状態の普通の人が、ヒロインの魅力によって、どんどん狂っていく姿を見せられた方が、”悪魔”という要素が増すと思うのだが、この主人公は、最初の段階で幻覚に悩まされていて、突然鼻血が出たり、自殺願望があったりと、精神が崩されやすい、かなり変わった特徴を持っている。

 

そして、ヒロインの鼻水をかんだティッシュを舐めるというよくわからない性癖を見せたりする。

 

この描写にしても、常識人が悪魔的魅力に取りつかれて、最終的にそういう衝動に駆られた行動なのかと思いたいのだが、どう考えても、それは主人公固有の特徴としてしか思えず、もともと変態だった主人公が小悪魔的彼女によって、より変態さが強調されただけの、極レアケースとしてしか認識ができない。

 

中盤に、ヒロインに誘惑された挙句顔をビンタされるというシーンがあるが、その興奮のあまり、彼女が部屋に帰った後に、ヒロインが鼻水をかんで捨てたティッシュをゴミ箱から漁って開いて舐めるという性癖シーンがあるのだが、これがまるで理解が出来ない。

 

例えば、ビンタされた後、堪らなく興奮して、自慰行為に走るなら、一応、気持ちの流れとして、興奮の発散状態を理解できるのだが、なぜビンタされた後、興奮のあまり、ヒロインが鼻水をかんで捨てたティッシュを開いていちいち舐めるのかが、まったくよくわからない。

 

これを仮にサッカー選手で例えるなら、ゴールを決めた後に、カズダンスをしたり、チームメイトを無視してフィールドを一人走り回って観客に喜びを表現するのは、興奮のグレードアップとしてまだ理解できるが、そのまま競技場から出て行って、車に乗って家に帰ってしまったら、どうだろうか…、それ位、主人公の性癖は、難解さを極めている。

 

そうなってくると、もうヒロインが悪魔的かどうかは大して関係なく、ほぼほぼ主人公の独走でしかない(笑)

 

 

 

評価 ★★★☆☆ (星3つ)

 

(まとめ:変態主人公が小悪魔に狂わされ一人独走するたただただレアケースの文芸ドラマ。結論はこうです。ちなみに、小悪魔役の大野いとをはじめ、登場人物のキャスティングは全員嵌っていて素晴らしい。それだけは付け加えておきますが、物語としては、”悪魔”というタイトルに共感できず、かなり残念感が強い作品です。)

 

 

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映画「三度目の殺人」の感想(ネタバレ)

  • 2020.09.06 Sunday
  • 17:42

■映画「三度目の殺人」の感想(ネタバレ)


■監督:是枝裕和
■出演:福山雅治 役所広司 広瀬すず 斉藤由貴 吉田鋼太郎 橋爪功


【映画「三度目の殺人」のあらすじ】

小さな町工場の社長が殺され、死体が焼かれるという事件が発生。工場を解雇された元従業員で殺人の前科がある三隅が逮捕されて、自分がやったと犯行を自供。このままでは死刑がほぼ確実と見られていた。すっかりサジを投げた同僚に代わって三隅の弁護を担当することになったエリート弁護士の重盛は、判決をなんとか無期懲役に持ち込もうと懸命に奔走するが、三隅の供述が会うたびに変化して、とんだ迷宮にさまよい込むことに……。

WOWOWから引用


【映画「三度目の殺人」の感想(ネタバレ)】

 

 

第41回日本アカデミー賞で、最優秀作品賞など主要6部門を受賞した「万引き家族」の是枝裕和が監督し、福山雅治、役所広司が共演した法廷サスペンス。

 

福山雅治が出てたので見てみた。

 

ちなみに同じ是枝裕和監督の話題作「万引き家族」も過去に見たのだが、エンタメ的にも吸引力がイマイチで面白い作品でもなかったので、途中でやめました。やはり、テーマはいいとして、最低限主人公への共感は大事ですね。

 

さて、この「三度目の殺人」だが、こちらは、二転三転するストーリーに加え、死刑や人間の罪についてなど、哲学的な要素も多く含んでいて、なかなか面白い。

 

ネタバレ的に結論から言うと、裁判では事件の真実を追求する姿勢は一切なく、犯人の自供や証拠を基に検察が作る(想像する)事件のシナリオが最もらしく事実とされ(それが真実かどうかは関係ない)、それによって、そこに当てはまる犯人らしき人(被疑者)が裁かれているという実態がある。

 

この物語の中で、犯人(被疑者)の供述がころころ変わっていくのに、有罪という最終結論は一切変わらないというところに、裁判(司法)の闇が見える。ご承知の通り、日本の検察が起訴した場合の有罪率は99%という異常ぶりに加え、裁判所と検察というのは、同じ法務省の管轄である。

 

これに加え、弁護士側についても、犯人(被疑者)の供述から想像する、自分にとって理想と思う被疑者の可哀想なシナリオ(実はこんな人であろう)を想像し、弁護に反映する。やってることは検察と同じシナリオ作り。

 

結局、誰も真実(事実)そのものには興味があろうがなかろうが、当たり前のように自分の主観が入ったシナリオを作り出し、常人が考える被疑者の動機をそこに当てはめ、それが真実であろうと信じている。

 

決して、犯罪者(被疑者)の心理がその時、どうであったのかまでは到底至らない。

 

この供述がコロコロ変わる被疑者がただの器でしかないと言う理由(意味)は、そういうことなのだろう。

 

なんらかの感情(動機)が基になって犯罪というものは起こるという前提で、犯罪を皆捉えるが、そもそも動機という概念自体当てはまらない犯罪者がいる場合は想定されていない。

 

この作品での役所広司演じる被疑者の存在というのは、人の感情(心)を読める(操れる)という他と違う特技がある。

 

ここに意味があり、これによって、検察や弁護士が作り出そうとするシナリオを被疑者自身の手である程度、操作することが可能になっている。福山雅治演じる弁護士が、最終的にあるストーリーを信じさせられた時のように。

 

このすべての結末(死刑)すら、被疑者の思い通りの結果に誘導されていた。

 

 

評価 ★★★☆☆ (星3.5)

 

(まとめ:意外と考えさせられる福山雅治主演の法廷サスペンス。なんとなく、作品の意図を汲み取って想像して見たが、最後まで見た際の作品としての説明不足感は否めないだろう。視聴者に大分投げ過ぎの感はある。ちなみにシリアスな映画ではあるが、福山雅治と役所広司の面会所での信じる信じないの後半のやりとり(演技)は、大分話に無理があって面白い。”誠実さが無い嘘つきの言葉を、説得されてわかった信じるよ。はもうシュールコントだ。個人的にはこの被疑者とは真面目に関わるだけ無駄という結論に至る。)

 

 

 

 

殺すやつと殺さないやつとの間には

 

深い溝があるんだ

 

それを越えられるかどうかは

 

生まれた時に決まっている

 

-?

 

人間の意志とは関係なく

 

命は選別されてるんじゃないか

 

本人の意思とは関係ないところで

 

人は生まれて来たり

 

理不尽に命を奪われたりしてるってこと

 

-?

 

誰を裁くかは

 

誰が決めるんですか?

 

-?

 

 

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映画「見えない目撃者(2019)」の感想(ネタバレ)

  • 2020.08.07 Friday
  • 07:35

■映画「見えない目撃者(2019)」の感想(ネタバレ)


■監督:森淳一
■出演:吉岡里帆 高杉真宙 大倉孝二 浅香航大 國村隼 松田美由紀 田口トモロヲ


【映画「見えない目撃者(2019)」のあらすじ】

警察学校に通うなつめは、卒業式の夜、自ら起こした事故で弟を死なせ、自分も視力と警官になる夢を失った。3年後、まだ失意の中にいたなつめは、車の接触事故に巻き込まれる。逃げる車の中から助けを求める少女の声を聴いた彼女は警察に情報提供するが、まともに相手にされない。誘拐事件を確信するなつめは事故のもうひとりの目撃者である高校生・春馬を捜し出す。だが、春馬は事件を見ていながら少女に気付いていなかった……。

WOWOWから引用


【映画「見えない目撃者(2019)」の感想(ネタバレ)】

 

 

韓国映画「ブラインド」を、森淳一監督が吉岡里帆主演に映画化したサスペンス。

 

少し前に、2015年に中国でリメイクされた「見えない目撃者(2015)」を見てから、その後、放置気味になっていた日本版リメイクを見てみた。

 

過去の自身の事故によって弟を亡くし視覚障害者となってしまった元警官の女性が、連続女性失踪事件の犯人を捜すという物語の基本構造は中国版、日本版ともに同じであるが、細かい部分で中国版との違いがある。

 

ちなみにオリジナルの韓国版はWOWOWで一挙放送してなかったので未視聴です。

 

中国版は、過去のレビューに書いた通り、弟が事故で死亡に至る過程が、音楽を夢見る弟をスタジオから強引に連れ出し、手錠で車に固定、それを嫌がり姉の運転を邪魔したことで事故に遭うという、自業自得的なひどい内容でしたが、日本版では、かなり改められていて、弟のバンド要素(音楽要素)はなくなり、弟が車内の足元に落ちた物を姉に拾わせたことから、事故に遭うと、大分マシな事故になっている。

 

また、もう一人の目撃者の青年役の特徴が中国版は、ローラスケートを活用していましたが、日本版はスケボー少年(青年)に変わっている。

 

この要素の違いは、中国版の方が要素を上手く活用できている。犯人に追いかけられたときに、特技のローラスケートを使って上手く逃げたりしていましたが、日本版は、普通にスケボーから下りて走って逃げていて、全然活用できていません(笑)

 

その他、殺人事件の内容についても細かく違い、日本版は仏教のある考えが犯行計画の目的だったり、デビットフィンチャーの「セブン」を彷彿するような猟奇的なアレンジが加えられています。この辺の違いによる、どちらが良いかという評価は難しいですが、日本版の方が、全体の作品としてはまとまっていて、完成度は高いと思います。

 

ただ、終盤の犯人のアジトでの死闘はただただアクションシーンが長いです。日本版は、収録時間が129分となっていますが、あと20分位は全然削れる内容です。この内容なら100〜110分で良い。

 

そもそも、ピストルを手に入れたのに、使わずに犯人から逃げている終盤が思いきり無駄でイライラします(笑)

 

もう終盤なんだから、新たにリーサルウエポンを使うタメ(時)を作ってるんじゃない。

 

どっちみちこのピストルで倒すのはわかりきったことなのに、ピストルを受け取った後に、バッグに一旦仕舞っちゃってる時点で、この映画この後もまだ無駄に長そうな気がして、急に緊張感が無くなります。

 

完全に物語とは別に、どう倒すかと言う部分の演出のためだけの再構築作業になっている。

 

ピストルなので、ややわかりづらいですが、例えば、ラスボスのモンスターを倒すのにロケットランチャーが最後の武器だと誰もがわかったとして、モンスターがもう目の前にいるのがわかってるのに、見つけたロケットランチャーをヒロインが一旦バッグにしまっていたら、相当気になります。それと同じです。※ロケットランチャーはバッグにはいりませんけど。

 

仕舞ってる作業がまずいらないですからね。仕舞わなくて良い。

 

中盤位に受け取っていたものを最後に使うならわかりますが、今の今ですからね。

 

もう早く使えよです。

 

ま〜全体を通して、終盤を含め、視覚障害者のヒロインに必要以上に見せ場というか、無理をさせすぎです。

 

これを言ったらこの映画の意味が無いですが、

 

最後の方など、足手まとい感が半端ないですし。

 

なぜついてくる?

 

 

 

評価 ★★★☆☆ (星3つ)

 

(まとめ:中国版よりは良いが、サスペンスとしてはイライラが多くあまり楽しさはない日本版リメイク。作品の出来としては、こういう映画としては、ジメジメとした世界観の構築含め、しっかり緊張感は保たれ、及第点の出来です。吉岡里帆もパラレルワールドラブストーリーに比べると、かなり魅力は出ている。ただ、同じ2時間ならもっと別の映画を見た方が満足度がある。)

 

 

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映画「脳男」の感想(ネタバレ)

  • 2020.05.31 Sunday
  • 05:24

■映画「脳男」の感想(ネタバレ)


■監督:瀧本智行
■出演:生田斗真 松雪泰子 江口洋介 二階堂ふみ 太田莉菜 染谷将太


【映画「脳男」のあらすじ】

東京の近郊で無差別連続爆破事件が続発し、新たに路線バスが爆破される。正義感の強い刑事の茶屋は、バス爆破事件の遺留品から犯人のアジトを突き止めて踏みこむが、そこには、すでに犯人と格闘している男がいた。犯人はアジトを爆破して逃走する。茶屋が確保できたのは、鈴木一郎と名乗るその男だけ。彼は爆破犯の共犯と見なされ、裁判の前に精神鑑定を受けるが、その担当となった精神科医の鷲谷は、一郎の態度に違和感を覚える。

WOWOWから引用

【映画「脳男」の感想(ネタバレ)】

 

 

第46回江戸川乱歩賞を受賞した首藤瓜於の同名原作を「犯人に告ぐ」の瀧本智行監督が生田斗真主演で映画化したサイコサスペンス。

 

生田斗真が主演してたので見てみた。

 

記憶力や知識が図書館並みという超人男(脳男)の話で、導入の衝撃的な無差別バス爆破事件からはじまり、容疑者逮捕(脳男)からの精神鑑定と、流れるように進み飽きさせない。

 

精神科医で準主役の松雪泰子のエロい魅力もあり、脳男の正体(背景を知る)を掴んでいく中盤あたりまでは、非常に興味深いのだが、終盤があまり宜しくない。

 

無差別爆破事件の真犯人(最初からほぼバレてるが)である、二階堂ふみの演じるサイコキャラが、典型的な死を恐れない無鉄砲な若者サイコガールではあるのだが、もう一人のサイコ男(脳男)との世紀の対決シーンが、期待したほど盛り上がらない。

 

二階堂ふみの知能犯に対して、脳男も知能犯であるのだが、脳男が知能バトルの末に知能で上回るという展開にすればいいのだが、あんなに中盤で持ち上げていたのに、真犯人の彼女と引き分け位の位置にしかなってなく、良さが出てない。

 

新米刑事がサイコ女に仕掛けられた時限爆弾に対して、脳に貯めこんだ知識をフル回転させて答えを出すのだが、その出した答えが、この爆弾は解除はできない、という判断。

 

散々考えた挙句、一般人と同じ答えかよ(笑)

 

普通は、脳男が楽々爆弾解除して、新米刑事を助ける流れじゃないのか。

 

もったいぶった挙句、解除はできないってなんだよ。図書館並みの知識を持ってる意味がないわ。

 

逆にサイコ女の方が凄いは、図書館並みの知識を持つ脳男が解除できない爆弾を作るんだから。

 

もうどっちが主役だかわかんないわ。

 

そして、新米刑事は案の定爆発(自爆だが)して死亡。

 

脳男、ホント役に立たないわ。

 

その後、精神科医の松雪泰子に対して芽生えた愛情から、捕らわれた彼女の救出に執着するようになるが、車の前にただ飛び出していくだけで、幼いころから殺人技を習ってた意味が全く無い。

 

ストーリー的には、感情が無いサイコ男に感情が芽生えたことによる無謀さを表現したかったのだろうが、それはそれでいいとして、車に向かっていく姿に、お涙頂戴の「やめてー」演出はいらない。

 

あえて持ち上げなくても、意図はわかる。

 

もともとというか、今まで全然そういう映画ではないのに、急にそこだけテレビドラマみたいな演出がつけられると、急にこの映画が安っぽくみえる。

 

そして、さらにダメ押しが、最終的に、捕らわれの松雪泰子がサイドブレーキを掛けたことで、車は衝突して止まるが、その車の衝突シーンがひどい位にしょぼい。

 

母親がバックの車庫入れに失敗して、隣の車にぶつかった位の映像にしかなってない。よくこれを使ったなというレベルのクラッシュシーン。

 

それなのに次のシーンでは、いかにも大きな事故が起きて、その衝撃で、乗ってた人は意識が無いみたいな感じになっている。

 

なんだこのしょぼいカースタントシーンは。

 

この映画、後半の畳みかけるひどさは、なんなんだろうか。

 

急にやる気がなくなったのか(笑)

 

 

評価 ★★★☆☆ (星3.2)

 

(まとめ:脳男よりも、実はサイコ女の方が地味にすごい気がするサイコサスペンス。映画としてはエンタメ感もあって、物語への吸引力もあるし、一応、更生というテーマも入っているので中身もある。サスペンス映画としては、普通に見れるのでおすすめだが、終盤は気になる部分が多いだろう。なんか惜しい。)

 

 

回想し言語化して

 

表出できれば

 

症状は消失する

 

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映画「祈りの幕が下りる時」の感想(ネタバレ)

  • 2020.04.16 Thursday
  • 18:34

■映画「祈りの幕が下りる時」の感想(ネタバレ)


■監督:福澤克雄
■出演:阿部寛 松嶋菜々子 溝端淳平 田中麗奈 キムラ緑子 烏丸せつこ 伊藤蘭


【映画「祈りの幕が下りる時」のあらすじ】

葛飾区のアパートで滋賀県在住の女性の絞殺体が発見される。警視庁捜査一課の刑事たちが捜査に当たるが、これといった情報は出てこない。いつしか捜査線上に舞台演出家の博美が浮かび上がるが、彼女には鉄壁ともいえるアリバイがあった。そんな中、現場から日本橋を囲む12の橋の名前が書き込まれたカレンダーが見つかり、刑事の加賀は独自に事件を追う。やがて事件は、幼いころ加賀を捨てて家を出た彼の母親へとつながっていく。

WOWOWから引用

【映画「祈りの幕が下りる時」の感想(ネタバレ)】

 

 

阿部寛が主演した東野圭吾原作の「新参者」シリーズ劇場版第2作。

 

東野圭吾原作作品を見つけたので見てみた。

 

劇場版第一作の「麒麟の翼 劇場版・新参者」は、結構良かったと記憶してるが(内容はほぼ忘れたが)、この第二弾も内容は悪くない。

 

「新参者」シリーズは、刑事人情サスペンスというジャンルだと勝手に思っているが、人情とサスペンスとのバランスもほど良く、犯罪を紐解いた中に感動がある。

 

しかし、主人公の過去(母親の話)に始まり、別の二つの殺人事件と事件の背景に関わる情報量がやたら多い上に、主観で描かれない部分や、年齢によってキャストが急に代わってたり、また字幕テロップだけで状況が説明されたり、その上、話も二転三転したりと、とにかく話が忙しく、全体像をちゃんと理解するのに苦労する。

 

ある部分で置いてけぼりを食らうと、途中から頭がこんがらがって、誰のなんの話なのかわからなくなることもあり、そういった意味では、自分のペースで読める小説向きの作品かと思う。映画化しといて、あれだが。

 

でも、話についていくことさえ出来れば、適度に緊張感があるし、謎解き(事件の真相)は、それなりに興味深く面白い。

 

特に、主役の阿部寛が出てきたからは、より興味が出てくる。※序盤は20分位しばらく出てこないが。

 

 

評価 ★★★☆☆ (星3.4)

 

(まとめ:東野圭吾原作作品の中では、最先端科学に頼らない正統派のサスペンス。前作同様、今作も日本橋を中心に東京の橋がテーマになっていて、東京愛を感じるので、東京近郊に住んでいる人には、結構身近に感じる作品。テーマとしては、他人に成りすまして生きる人の姿が描かれるが、その生活をリアルに考えると結構思うこともある。とりあえず、他人の遺体を父親の身代わりとして、死亡届を出すことから始まるが、その際の身代わりとして死んだ人の葬儀や墓の手配が気になる。娘は、一人で全然知らない人の葬儀を挙げて、骨を実の父親のモノとして受け取って、どこかに埋葬することになると思うが、誰かもわからない人の骨を持ち歩くのは、とにかくそれだけで気持ちが悪いですね(笑) 棺桶の段階で知らない人が入ってるし。一応、密葬でも坊さんは、呼ぶ。となると全然知らない人に戒名がついちゃうだろうし(笑) 一生隠れて会わなければいけないとか、そういう面もあるが、それと同じく、死んでしまった父親(関係ない他人)の扱いが意外と大変だなと思う。というかほぼほぼ成りすましの作業は、ギャグだけどね。)

 

 

嘘が映すのは

 

人の心そのものだから

 

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映画「藁の楯 わらのたて」の感想(ネタバレ)

  • 2020.04.02 Thursday
  • 05:07

■映画「藁の楯 わらのたて」の感想(ネタバレ)


■監督:三池崇史
■出演:大沢たかお 松嶋菜々子 藤原竜也 山崎努 岸谷五朗 伊武雅刀 永山絢斗 余貴美子 本田博太郎


【映画「藁の楯 わらのたて」のあらすじ】

8年前に少女暴行殺人事件を起こして服役していた犯人・清丸が出所するが、直後にまた少女を殺す。少女の祖父である財界の大物・蜷川は、大手全国紙すべてに“犯人を殺した者に10億円を支払う”という全面広告を出す。身の危険を感じた清丸は、福岡県警に自首。警視庁のSP、銘苅、白岩ら5人の警官は清丸を東京まで護送する任務を命じられるが、一行は行く先々で懸賞金目当ての連中に襲われる。彼らは東京にたどり着けるのか。

WOWOWから引用

【映画「藁の楯 わらのたて」の感想(ネタバレ)】

 

 

不良マンガ「BE-BOP-HIGHSCHOOL」の作者でもある”きうちかずひろ”が木内一裕名義で発表した小説を三池崇史監督が大沢たかお、松嶋菜々子共演で映画化したサスペンス。

 

大沢たかおが出演してたので見てみた。

 

内容は知らずに見始めたが、意外と惹きつけられ、普通に面白く拾い物だった。最近の映画かと思っていたが、2013年制作らしく、7年前の作品になるが、特に映像から古さは感じない。

 

物語は、福岡から東京まで容疑者を護衛するというシンプルでわかりやすい話。

 

護送設定は、映画「SWAT」や最近では「マイル22」などがあるが、アクションサスペンスとしては、設定だけで、惹きつけられるし、作品としても大きく外れにくいと思う。「マイル22」は、奇をてらいすぎて失敗だったけど。

 

ちなみに「SWAT」が容疑者を逃がせば賞金だったが、こちらは、容疑者を殺せば賞金。

 

設定は、ほぼほぼ似ているが、ターゲットが死んで良いという部分では、見境なく殺しにやってくるので、この作品の方がタチが悪いと思う。

 

前者は、ターゲットの安全が必要なので、奪還作業に気を遣う必要があるが、こっちは、最悪、容疑者含め、周りの護衛ごとまとめて、いっちゃっても全然かまわない(笑) ※賞金に目がくらみ、罪の大きさを顧みないのであれば、

 

ちなみに外部からの攻撃と内部(仲間)の裏切りが見せ場だと思うが、外部からの攻撃による派手なアクションと仲間の裏切りを疑うサスペンスは、上手く配分されていて、最後まで一応緊張感を保っている。

 

邦画作品としてもアクションのスケール感は大きく、結構頑張っていると思う。

 

高速道路のシーンでのパトカーの台数しかり。

 

ところどころCGも使っているが、実写部分をちゃんと頑張る作品は個人的に好感がもてる。

 

なんか規模がでかくて、ワイドに撮影されてるだけで、映画を見てる気がしてくるので。

 

 

評価 ★★★☆☆ (星3.5)

 

(まとめ:珍しく大きく外さなかった三池崇史監督の良作の娯楽アクションサスペンス。作品としては、主人公目線で見れない映画が多いなか、普通に主人公目線(当事者)で見れたので、平均点越えです。ただ、危険任務と分かっているのに、防弾ショッキすら着てなくて死んだりするなど(大沢たかおは着てるのに)、大事なところでツッコミどころも多い。個人的には、容疑者が本件では(過去の殺人事件は一旦置いといて)、まだ捕まってもいなければ、裁判で有罪が確定してないのに、ほぼほぼ犯人として扱っているのが、かなり気になる。みんな気が早い。裁判を経て有罪が確定するまでは被告。(事件の捜査状況でどれ位、彼が犯人でありえるのかという基本情報も一般情報のみで少なく、彼でない可能性もなんとなく否定できない。のちに本人が自白してその方向が濃くなるが、それすらも主観情報なので客観的に判断する材料としては、情報が少ない。)なので、容疑者に賞金懸けをするなら、裁判で有罪が確定した後にやるべきだと思う。じゃないと、”犯罪者をなぜ守らなければいけない”というテーマがぶれてくる。容疑者の冤罪の可能性は大丈夫か?と。あきらかに裁判を経て刑が確定した凶悪犯罪者を護衛するのと、容疑者?の段階の人を護衛するのとでは、全く違う。過去に殺人を犯してるという部分では、彼は凶悪犯であるが、一応、その件に関しては、刑務所で罪を償った体にはなっている。ここも設定がややこしい。個人的には、初犯の少女暴行殺人事件で有罪確定後に賞金懸けのストーリーで良いと思う。なんで二回目にしたのか。1回目の親が金持ちだったで良いと思う。それか連続殺人犯という設定で、二回に分けなくても良い。テーマは、”犯罪者をなぜ守らなければいけない”ということがわかれば良いのだから。)

 

 

>>藁の楯 わらのたて [ 大沢たかお ]

 

 

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映画「寝ても覚めても」の感想(ネタバレ)

  • 2020.03.29 Sunday
  • 06:03

■映画「寝ても覚めても」の感想(ネタバレ)


■監督:濱口竜介
■出演:東出昌大 唐田えりか 瀬戸康史 山下リオ 伊藤沙莉 田中美佐子


【映画「寝ても覚めても」のあらすじ】

大阪で暮らす21歳の女性・朝子。ある日、不思議な魅力を放つ謎めいた青年・麦と出会った彼女は、たちまち彼と運命の恋に落ちるが、やがて麦は、不意に姿を消してしまう。それから2年後、大阪から東京に転居した朝子は、まるで生き写しのように麦とよく似たサラリーマンの青年・亮平と出会う。今なお麦のことが忘れられない朝子は、戸惑いを隠せないが、そんな彼女に亮平は好意を抱き、朝子も抗しがたく亮平に心惹かれていく。

WOWOWから引用

【映画「寝ても覚めても」の感想(ネタバレ)】

 

 

「ハッピーアワー」の濱口竜介監督が柴崎友香の同名恋愛小説を東出昌大、唐田えりか共演で映画化した恋愛サスペンス。

 

巷で話題になっていた東出昌大と唐田えりかが私生活で不倫関係に至る原因となった映画ということで見てみた。

 

作品を見てみるとわかるが、この内容なら、私生活でも好きになって、不倫に突っ走っても仕方ないと思えるほど、かなり濃密な恋愛作品であった。

 

肉体関係の描写は、キスやハグ位の軽い演出にとどまっているが、そのやり方(見せ方)が、少女漫画系の青春映画のさわやかな(どこかブレーキがある)恋愛描写とは異なり、かなり濃厚(他人を気にしない二人だけの世界がある)で、カットがかからなければ(その場に誰もいなければ)、そのまま気持ちに任せて、次の段階に進んでしまってもおかしくなさそうな描写である。

 

たぶんシーンの流れの大枠だけ指定して、細かい部分の演技は俳優自身のやり方(アドリブ)にすべて任せてるのだろう。そのフリー演技が妙にリアルなのだ。

 

なので、作品を良くしようと演者が真面目に考えれば考えるほど、作品の登場人物への気持ちが入り、作品の世界に体が同化し、お互いの恋愛感情も盛り上がり、次第に自分自身も見失って、撮影後には、登場人物が抱いた恋愛感情だけがトラウマのように強く残ってしまいと、そんな感じだろう。

 

そして、作品のヒロインと同じく、唐田えりかも、クズ行動(不倫)に走ってしまった(笑)

 

しかし、その気持ちもわからなくもない。

 

この作品、男側よりも、女性側の方が恋愛感情の闇が深く、底が見えない。ヒロインの気持ちを考えれば考えるほど、どうにも心が闇に落ちていくのだ。

 

好きになった男を運命だと感じるほど、本気で好きになって、結婚も考えたであろうが、間もなくして、男は連絡もなく行方知れずになる。

 

何も告げずに目の前から消えるというのは、女側としては、死んだに等しい別れであるが、会いたい気持ちを整理できる訳もなく、なんとなくその事実を受け入れ、ただ二年という時間が流れていたとき、突如、目の前に彼が現れる。

 

会いたかったとか、心配したとか、二年という間に抱えていたすべての感情をぶつけたくなるのを抑えて、なんとか平常心を保つ。外見は似ていたが、中身は全然違う人だった。

 

外見が似てるというだけで、脳が誤反応を起こし、過去の恋愛感情が一気に思い起こされ、激しく盛り上がった。

 

だが、その恋愛感情には、全く意味がない。

 

相手(中身)が違うのだ。

 

そんな事情を知らない、外見が似ているだけの亮平は、そんな彼女に好意を持つようになる。

 

誤反応の恋愛感情だからと心に押し込めて彼を必死に避けようとするヒロインに対して、あきらめず追いかける亮平。

 

ついに、逃げられないところまで、追い詰められると、そこで心が折れ、彼の気持ちを受け入れる。

 

会った時からずっと好きだったという感情はヒロインも同じだった。

 

ただ、本当に彼に対して思ってるのかどうかは、深く考えないことにした。

 

しかし、彼と付き合うようになってみて、彼に対する気持ち(愛情)は、元カレ(麦)に対して思っていた感情なのではないかという不安が付きまとうようになる。

 

彼のことを本当に好きなのか判断することが出来ない。

 

彼を傷つけたくない手前、本当のことを伝えることも出来ない。

 

ある時、彼と別れることを決断する。

 

元カレと同じように、亮平の目の前から消えようとしたとき。

 

世界が一瞬で変わった。

 

あの日、誰もが愛する家族や友人を心配し、歩いてでも家に戻ろうと必死だった。

 

一方で、愛する家族や友人もいない人は、家に帰ることができないとわかると、その場で混乱が収まるのをただじっと待っていた。

 

愛する者がいる人は歩き、いないものは、急ぐ必要もなく、その場に止まり、何かが終わるのをやり過ごした。

 

亮平は、朝子を探し歩いていた。

 

朝子は、亮平の目の前から消えようとしていたが、ふと足を止めた。

 

その時にはっきりと気づいた。

 

麦(ばく)ではなく、亮平を心配している自分に。

 

麦がどこにいるかわからないが、亮平のいる場所はわかる。

 

そこから戻る理由は、亮平しかなかった。

 

私は亮平のことが好きなのだ。

 

朝子が振り返って戻ろうとした時、目の前には亮平がいた。

 

 

 

 

評価 ★★★☆☆ (星3.5)

 

(まとめ:序盤と終盤は内容がクズそのものだが、二年後からの序-中盤がすごい充実している東出昌大主演の恋愛サスペンス。映画を見てたときには、感じなかった感情をヒロイン目線の文章として、シーンを整理すると意外と未練たらしくて気持ち良かった。唐田えりかの演技だけだと、細かい感情が読めずわかりにくいが、自分でヒロインの目線になってみて、この時はどうだろうと、気持ちを考えてみると、意外と味わいがあって、心情に浸れる。原作小説は未見だが、こんな感じで想像すると、たぶん小説の中のヒロインの恋愛模様(心情描写)は、結構興味深いと思う。この作品、震災(3.11)をテーマに使ったことで、途中から内容がリアリティを伴って、急激に吸引力と作品の世界観がスケールアップしたように思う。この震災によって、真実の愛に気づくというのも、上手い。しびれる。この作品は、死を意識すること(場所(海、川))や状況(病気、震災))によって、ヒロインが正気を取り戻す。盲目的な愛から覚めることが出来るのは死を感じることで、死を感じることによって愛に気づく。この作品は、ヤフーレビューが荒れてて面白い。作品としての完成度(監督の力量)は、あるので、解釈がいろいろある。)

 

 

猫捨てたで

 

-?

 

帰れ

 

-?

 

 

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映画「ミスミソウ」の感想(ネタバレ)

  • 2020.03.19 Thursday
  • 07:03

■映画「ミスミソウ」の感想(ネタバレ)


■監督:内藤瑛亮
■出演:山田杏奈 清水尋也 大谷凜香 大塚れな 中田青渚 紺野彩夏 櫻愛里紗


【映画「ミスミソウ」のあらすじ】

東京から過疎の町へ引っ越してきた中学生の少女・春花は、早々に激しいいじめを受けることになった。もめ事を起こしたくない担任教師も見て見ぬ振りを決め込み、いじめは日ごとにエスカレートしていく。そんな中、春花は唯一自分を気に懸けてくれる同級生の晄を心の支えにしていたが、やがて春花の家に火が付けられ、彼女の両親が命を落とし、幼い妹も重傷を負ってしまう。あまりのことに、耐え忍んでいた彼女の心は崩れ去り……。

WOWOWから引用

【映画「ミスミソウ」の感想(ネタバレ)】 

 

押切蓮介による同名マンガを「わたしに××しなさい!」の山田杏奈主演で実写映画化したバイオレンス。

 

壮絶ないじめという番組情報を見て選んでみた。

 

原作は未見だが、久々に頭おかしい映画を見た気がする。

 

学生が血まみれになるという行き過ぎたバイオレンス描写においては、公開時話題になった深作欣二の学生映画「バトル・ロワイアル」を優に超える壮絶さだ。

 

壮絶ないじめの結果によって家族が巻き込まれたヒロインが、殺戮と言う名の復讐を始める。

 

一言で物語を表すとこんな内容だが、いじめの度合いが、いわゆる、みんなが思ういじめの度を越している。

 

こういう作品を見ると、いじめにもそれなりにいじめという言葉のルール(さじ加減)があるように思う。

 

そして、そのルールを越え過ぎた部分に関しては、急にシュールに思え、逆にシーンがコントにように面白く見えてくる。

 

個人的に、いじめられっ子の父親をいじめっ子が学校の階段から蹴り落とすというのは、もうルール違反というか、話が変わってくる(笑) 

 

最初は、蹴られたのは他の先生(大人)なのかと思ったが、家に戻ってきたら親父が負傷していて笑った。

 

お前の親父だったのか(笑)

 

同級生はいいとして、その父親まで、いじめの対象とするのは、もう頭おかしいとしか思えない。

 

いじめというのは、いじめてることをひた隠しながら、出来る限り表沙汰にならないように隠密に実行するのが”いじめ”だと思うが、いじめっ子の親父が学校に相談に来てるのをいいことに、その親父を蹴ってしまっては、本末転倒ではないだろうか。

 

こういう緊張感のなさがこの作品の良さ(アホさ)でもある。

 

そもそも、この作品の世界観において、いじめという描写が、ほぼほぼやり過ぎで暴力沙汰レベルで、保護者が訴え出れば、警察が介入しても良い内容だが、どういう訳か警察の存在は、控えめで出番はない。

 

火事があっても、捜査してる感じすらない。

 

もちろん、教師というか学校すらほぼほぼ機能していなく、無法地帯。

 

下手すると、自分の身は自分で守るのだ!でお馴染みのアメリカの西部開拓時代を日本に移した話なのかもしれない。

 

そう思うと、ほぼ納得できる内容だ。

 

家を放火され、家族を失ったガンマンが悪党に対して復讐に立ち上がる。

 

このヒロインがクリントイーストウッドだと思うとしっくりくる。

 

ただ、唯一、西部劇的で計れないのが、彼氏の存在だろう。

 

一人だけ善人で仲間に思えた彼氏が実は、頭がおかしかった。

 

もしかしたら一番頭がおかしいのかもしれない。

 

キレると、拳で殴って、人を殺める。過去には父親や母親も殺めていた。最終的に祖母まで。

 

自分のおばあちゃんをぶん殴ったらいかん(笑)

 

おばあちゃんが殴られて、血まみれの絵は面白い。

 

そして彼の武器は、相手を素手でぶん殴る。

 

これは彼の才能だ。

 

この背景があきらかになった後、好きな彼女(ヒロイン)が目の前で同級生に襲われてしまう。

 

キレた彼氏は、同級生の女を馬乗りになって、素手でボコボコにぶん殴る。

 

このシーンがまた面白い(笑)

 

これまでに、散々ナイフやボーガンでの緊張感ある死闘が繰り広げられていたのだが、この彼氏に至っては、素手でボコボコにする。

 

しかも同級生の女の子を。

 

この同級生の女の子も、ヤクザの鉄砲玉みたいなキャラクターで、一番危ないヤツなのだが。

 

この学校には絶対に通いたくない。

 

 

評価 ★★★☆☆ (星3.5)

 

(まとめ:バイオレンスなのか、コメディなのかルールが曖昧な狂人映画。狂人映画だが、ラストは物語を成立させようと、綺麗な落としどころ見せるが、狂人作品が今更何やってるんだという気がしてまた面白い。どう考えても、全然収拾ついてない。寸法が合ってない。それで収拾ついたと思うならまたそれも狂人の発想だ。ただ、良いように言えば、この作品としてのルールの曖昧さが、バイオレンスの世界の中で、唯一の救い(現実ではないと思える瞬間)なのかもしれない。良いように言えばだけどね(笑))

 

 

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映画「マスカレード・ホテル」の感想(ネタバレ)

  • 2020.02.08 Saturday
  • 10:30

■映画「マスカレード・ホテル」の感想(ネタバレ)


■監督:鈴木雅之
■出演:木村拓哉 長澤まさみ 小日向文世 泉澤祐希 東根作寿英 石川恋 石橋凌 渡部篤郎


【映画「マスカレード・ホテル」のあらすじ】

東京都内で3件の殺人事件が連続して発生する。各々の事件現場に残された不可解な数字の羅列から、刑事の新田はそれが次の犯行現場を示すと推理、ホテル・コルテシア東京が4番目の犯行現場になると突き止める。警察はホテルでの潜入捜査を決断し、新田をフロントクラークにするなど、捜査員たちを配置する。新田は彼の教育係として任命された一流フロントクラークの尚美とともに、ホテル業務をこなしながら捜査を進めるが……。

WOWOWから引用

【映画「マスカレード・ホテル」の感想(ネタバレ)】 

 

 

東野圭吾の「マスカレード」シリーズ第1作を「本能寺ホテル」の鈴木雅之監督が木村拓哉と長澤まさみ共演で映画化したミステリー。

 

少し前に豪華キャスト出演が話題となっていた今作を見てみた。

 

内容は、連続殺人事件の予告殺人の場所となったとあるホテルを舞台に潜入捜査で入った刑事とホテルマンが訪れてくる様々な客をさばきつつ犯人捜しに奮闘するという話。

 

原作は、東野圭吾ということだが、この作品は、東野圭吾作品によくある最先端科学や医学的なうんちく要素は一切無く、珍しく?アリバイ崩しやトリックなどで構成されたシンプルな犯罪ミステリーとなっている。

 

豪華ホテルを舞台に木村拓哉と長澤まさみの刑事とホテルマンのコンビの活躍で魅せ、特に大きくだれることなく緊張感も保たれ、普通に見れるのだが、ところどころ必要以上に感動話(演出)に振っているところもあり、そこの必要性を疑問に思うところもある。ミステリーというテーマが感動話で多少ぶれる。

 

またアリバイやトリックといったものもあるが、どんでん返しが衝撃的にガツーンとこないで、やや散漫に流れてしまってる気もする。

 

っというのも、ホテルで殺人が行われる動機となった過去の連続殺人事件の情報が、ほんとにただの情報程度の紹介でしかなく、そもそもの事件に対する、感情移入というか気持ちが入っていかない。

 

結果、トリックやアリバイなどの事件解決に至る衝撃情報が出ても、へえ〜そうなんだ!程度で、こちらもただ情報整理できた位の感覚でしかない。

 

この最初の複数の事件に対する、被害者や警察の捜査への思いみたいな、他人事ではない、動機や気持ちの構築(主観的感覚)は必要だったんじゃないだろうか。

 

一見して、登場人物のセリフだけは、いっちょ前に優秀なんだけど、全体的にそこに気持ちが追いついていかない。

 

泣きもしないし、深く共感もしない。…だが、まー見れる。

 

 

 

評価 ★★★☆☆ (星3.2)

 

(まとめ:内容よりも豪華な映像(セット、ロケ含む)や音楽にベクトルを振った東野圭吾原作の綺麗なミステリードラマ。内容的には、映画というか良質な2時間スペシャルドラマみたいな作品。豪華キャスト出演もとりあえずたくさん人が出てるだけで、それほど各キャラクターの個性が光るほど、効果的かというと、別にそういう訳でもなく、芸能人大集合みたいな雑多感。ミステリーや出演者に興味があるなら見といても良いかもレベルかな。)

 

 

 

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