- 2024.01.07 Sunday
中国ドラマ「SF超大作「三体」」(全30話)の感想(ネタバレ)
中国ドラマ「SF超大作「三体」」(全30話)の感想(ネタバレ)
■監督:ヤン・レイ
■出演:チャン・ルーイー ユー・ホーウェイ チェン・ジン ワン・ズーウェン リン・ヨンジエン リー・シャオラン
中国ドラマ「SF超大作「三体」」(全30話)のあらすじ
2007年、北京オリンピック開催間近の中国。ナノ素材研究者の汪ミャオは突然訪ねてきた警官の史強に、学術組織“科学境界(フロンティア)”との関わりを質問される。史強の無礼な態度に汪ミャオは返答を拒むが、同行していた軍人にある会議への出席を要請され、やむなく同意。各国政府や軍関係者が集う会議に参加した汪ミャオは、世界各地で科学者たちの自殺が相次いでおり、ほとんどが“科学境界”と関係があったことを知る。
※WOWOWから引用 https://www.wowow.co.jp/detail/193550
【中国ドラマ「SF超大作「三体」」(全30話)の感想(ネタバレ)】
「SF界のノーベル文学賞」ヒューゴー賞を受賞し、累計2900万部超えのベストセラーを記録した劉慈欣の原作小説を映像化した中国SFドラマ。
WOWOWで大々的に宣伝していたので、気になって見てみた。
海外ドラマとしては、珍しく1話完結型のシーズンドラマではないタイプのドラマで、全30話(1話45分前後)からなら長尺作品で、WOWOWでも昨年(2023年)10月から毎月10話×3か月に渡って放送していたが、ようやく最近見終わったので、感想を。
この「三体」だが、内容は、物理や天体など科学にまつわるSFドラマであるが、すでにヒューゴ賞を受賞したり、原作本がめちゃめちゃ売れているのも頷けるが、自分が見た中での一般的なSF作品の中でも、質、内容ともにベスト1の作品だと思います。
この作品の凄さを端的に言うと、出来る限りファンタジー要素を排して、実際の物理学(天体物理?)を照らした内容に沿ってドラマが作られていて(このドラマで解明された内容(太陽は●●)は、調べると現実でも出てくる)、非常に専門性が高いなか、それでいてSFドラマとしても謎が解明されていくエンタメ性も備わっているという、良いところ取りが出来ている珍しい作品です。
概観してる学問についても、物理学から、天体物理、仏教、中国の歴史、ITまで(他にもいろいろ)、知識の量が物凄いです。そもそも最先端の科学者を集めた学会の話が基準のレベルなので、一般人には専門的なことは理解するだけでも難しいが、ま〜なんとかついていけるレベルには落とされています。
自分がインテリであればあるほど、知識欲を満たしてくれるドラマになっています。
ちなみに、全30話のテレビドラマであるが、作り込みの度合いが普通に毎回映画レベルで、手抜き感は感じません。
この辺りは、原作者が中国人ということもあり、中国という国の威信をかけた国家事業的な取り組みで、ドラマ制作されているように思います。とにかく中国の気合を感じます。
ちなみに中国も映像制作にここまで力を入れると、普通にハリウッド映画級のエンタメ作品が作れることを証明できた一方で、なんとなくハリウッドっぽいなというか、撮り方や見せ方がアメリカナイズされた映画になってしまうのは、皮肉な感じがします。
ハリウッド映画が中国資本が入ってカンフーなど中国的な感じになってる一方で、中国が自前で作ると、制作者がハリウッドを参考にしたり影響を受けてるからか、ハリウッドっぽくなってしまうのは、ちょっと面白い。
最後に、細かい内容を書いてしまうと面白みがなくなってしまうので、出来る限り、前情報なしで見ることをおすすめしますが、個人的には、19話の仏教の精神部分は、核心というか、3体と合わせて考えると、非常に面白い考察を与えてくれます。
評価 ★★★★☆ (星4.5)
(まとめ:SFドラマの金字塔となりうる傑作の中国SFドラマ。個人的にオチがもったいないが、28話位までは概ね満足な仕上がりだと思う。29話以降は、急にアクションに力を入れ始めたが、力の注ぐ部分はそこじゃない感があります。ラストも棚上げにされた感じは、次回に続くならありですが、あのまま終わるのは、ちょっという感じがします。それでも評価は4.5以上はあります。こんなに難解だけど見れるドラマは少ない。特に前半から中盤あたりまで。)
>>三体
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