映画「セッション」の感想(ネタバレ)

2016.03.08 Tuesday 洋画 音楽作品

■映画「セッション」の感想(ネタバレ)



■監督:ダミアン・チャゼル
■出演者:マイルズ・テラー J・K・シモンズ ポール・ライザー メリッサ・ブノワ オースティン・ストウェル

WOWOWで放送していた映画「セッション」を鑑賞。

【映画「セッション」のあらすじ】

ニューヨーク。一流音楽学校に通いながら伝説の名手バディ・リッチのようなプロドラマーを目指す19歳の青年アンドリュー。彼は同校で最高の指揮者とされるフレッチャーが担任のクラスで学ぶことに。だがフレッチャーは学生に対してあまりに厳しく、アンドリューは初日からフレッチャーにこき下ろされて大きく打ちのめされる。その後もアンドリューはフレッチャーのスパルタ式指導のもと、心身ともにすり減っていくが……。

WOWOWから引用

【映画「セッション」の感想(ネタバレ)】


第87回アカデミー賞で助演男優賞など3部門に輝いた音楽作品。

ドラマーが主役という番組あらすじを見て選んでみた。

時々、音楽に特化した映画があるが、過去に見た「オーケストラ」など、意外と音楽ジャンルの映画は、作品として外れは少ないと思っている。

この映画も前から注目してたわけでなく、放送してたのをたまたま拾ってみたわけだが、拾い物というハードルの低さを抜きにしても、作品の出来はすこぶる良い。

主役がドラマーというかなり地味な楽器奏者に注目しているが、序盤から、ドラマー目線の話で、話に入り込みやすいし、憧れるような見せる超絶ドラムテクニックあり、さらにこの映画でアカデミー賞助演男優賞に輝いた、JKシモンズ演じるカリスマ鬼教師も早々登場で、全く飽きさせない。

特に、この鬼教師の生徒に対する過剰な指導には、その場で実際に自分も怒られているかのように、空気のピリピリ感がすごい。

この映画を見て、そういえば、中学の時の合唱練習(音楽の授業)でこんな空気感ピリピリさせて教えてくる音楽の先生がいたなというのを思い出した。さすがにこの映画ほど、汚い言葉で生徒を罵っては、いなかったが。かなり近かった。

ちなみに、この映画の鬼教師は、コンマ0.0何秒というテンポの狂いや、わずかなハーモニーの音程のズレがあれば、すぐ演奏をやめさせてその場で指摘するのだが、その判断は、もう細かすぎて、見ているこっちも、どれが良くて、どれが違うのかすら、全くよくわからない。

せめて、間違いが何か自分(こっち)でも理解できていて(できていないことが自分でもわかる)、怒られるならまだ話がわかるが、もう良い演奏とタダメな演奏の違いは、その時の教師の気分にかかっているような基準に思えて、もう現場は、地獄としかいいようがない。

こんな人にずっと指導されてたら、もうノイローゼになってくるでしょう。※実際主人公もノイローゼになってるけど。

この映画を最後まで見ていて思うのは、こういう軍隊的な?指導方法は、有りか、無しかという部分だろう。

この鬼教師の言い分は、ジャズサックス奏者のチャーリー・パーカーが若いときにジャズセッションに参加して、上手くソロが出来ずにそのバンドのドラマーのジョー・ジョーンズにシンバルを投げられたという、逸話を引き合いに出し、ダメならダメとしっかり言うことに意味がある、そういうことがあったからこそ(チャーリーパーカーはそれをバネに)、現在のバードと呼ばれる地位を築いたと言って、自分の指導方法は間違っていないと自己弁護する。

一度死ぬほどの屈辱を味わうことで、それに屈しないために日々努力し、プレイヤーは、一流になれる、そこで(屈辱で)心が折れてしまうようなプレイヤーは、それまでのプレイヤーだと言う。

この鬼教師の言い分にも、たしかに一理ある。

この映画のラストはまさに、この鬼教師の指導方法に対する、殺したくなるほどの主人公のなにくそ根性をドラムにぶつけた演奏になっていて、それがいいプレイを生んでいるからだ。※そういう映画のオチにしてるわけで。

このラストの何クソ演奏に至るには、通常の練習だけでは足りなくて、感情(屈辱をバネとした感情)+努力の融合によってのみ、なされると理解できる。

こうやって書くと、軍隊的な?日々の指導方法を肯定してる風に捉えられるかもしれないが、個人的には、逆でこの指導方法に負けて心が折れてしまったプレイヤーは、やっぱりダメプレイヤーなのかという部分で疑問が残る。

もしかしたら、他の指導者のもとで、一流プレイヤーになってる可能性は否定できない。

ってか自分ならこういう指導方法だからと言って、確実にプライドを折って来る指導者のもとで、成功したいとは思わない。まず続かないし。そもそも人間的に好きになれない人(尊敬できない人)から何かを教わるのは、自分の性格的に無理だ。いくら権威やテクニックを持っていたとしても。むしろ、その道を一切使わないで、他に成功できる別の道を探したいと思う。

なので、この映画のラストを自分に反映すれば、あのドラムソロをやり終わった後(引導を渡した後)は、あの鬼教師のバンドや指導には、一切参加しないというスタンスでプロを目指す。

あの主人公の言葉と同様に彼に対しては、”KILL YOU”なのだ。

なぜか、そこの日本語字幕では、”合図する”と訳されていたが、合図ではなく、”KILL YOU=殺す”なのだ。どう聞いても自分には、”KILL YOU”って言ってる気がするが。

それほど、自分もこの教師が嫌いです(笑)

だって、信頼関係の軸をどこに設定してるのかわからない。ただただ、ああいう音楽に狂った人間なんだと思うしかない。


評価 ★★★★★ (星5つ)

(ドラマーやバンドマンに特におすすめの映画。この映画は、上記の指導方法が賛否両論のようだが、この主人公のドラマーを演じたマイルズテラーの演奏は、実際に過去にドラム歴があり、さらに映画のためにレッスンを受け、映画の超絶テクニックを身に着けたらしい。生演奏に近いので、あてぶりと違い、リアル感があるし、見た目以上ににカッコイイし、見ててドラムをやりたくなる。ちなみに全然関係ないが、全然笑える映画ではないのに、中盤の演奏会で主人公が車で事故って、手を怪我して、演奏中にスティックが滑って何度も落としてしまうシーンは、なぜか大爆笑してしまった。あれは今までのがフリで効いていて面白い。)



英語で最も危険な言葉は

この2語だ

”上出来だ(good job)”


-?



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