映画「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」の感想(ネタバレ)

2018.04.01 Sunday 邦画 ラブストーリー/恋愛モノ/青春

■映画「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」の感想(ネタバレ)


■監督:三木孝浩
■出演者:福士蒼汰 小松菜奈 東出昌大 山田裕貴 清原果耶 大鷹明良 宮崎美子

WOWOWで放送していた映画「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」を鑑賞。

【映画「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」のあらすじ】

京都の美大に通う高寿は、いつも通りに大学へ向かう電車の中で愛美と出会い、ひと目見た瞬間、恋に落ちる。勇気を振り絞って声を掛け、また会う約束を取り付けようとした高寿だったが、それを聞いた彼女は突然涙してしまう。愛美のこの時の涙の理由を知る由もない高寿だが、不器用な自分を受け入れてくれた彼女にますます惹かれていく。そして初めてのデートで告白した高寿は、OKをくれた彼女との交際をスタートさせるが……。

WOWOWから引用

【映画「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」の感想(ネタバレ)】  

 

七月隆文の小説を「アオハライド」の吉田智子脚本&三木孝浩監督が福士蒼汰と小松菜奈共演で映画化したというラブストーリー。
 

最近ずっと海外ドラマばかり見てるので、気分転換に邦画のラブストーリーモノを選んでみた。

 

出演が福士蒼汰と小松菜奈という人気若手俳優共演ということで、多少の期待を持ってみたが、見終わってみると、感情移入も微妙で、この映画の設定を理解するのに頭をやたら使っていて、結局なんだかよくわからない映画だった。

 

とりあえず今回、その辺を振り返りながら整理したいと思います。

 

まず、いきなりネタバレになってしまうが、この作品は、小松菜奈演じるヒロインが未来からやってきた(今あるこの世界とは別の世界からやってきた)という設定。

 

これだけなら、よくあるパターンなのだが、そこにベンジャミンバトン的(ヒロインだけ大人から子供になる時間軸)な要素が加わっている。

 

男側の福士蒼汰は、子供から大人になる普通のタイム感で生きているのだが、彼女は、未来から過去へと流れる(大人から子供になる)別の時間軸の世界で生きていて、この二つの異なる世界は、5年に一度だけ(1回あたり30日間?(約1ヶ月))、お互いの世界が交わる瞬間があり、その間だけ二人が出会うことが出来るというらしい。※織姫と彦星か。

 

男 5歳→10歳→15歳→20歳→25歳→30歳→35歳

 

映画では主に二人が20歳の時に出会った頃(重なる部分)を描いている。

 

女 35歳←30歳←25歳←20歳←15歳←10歳←5歳 

 

簡単に状況を説明すると、彼氏にとっての彼女との初めての出会いは、彼女側(目線では)にとっては、彼氏との最後の別れの瞬間になるということらしい。※これが製作者(原作者)の言いたい(描きたい)肝心な部分でしょう。

 

このことだけを念頭に入れれば、おおまかなこの映画の設定を理解できるのだが、しかし細かくシーン(設定)を見ていくと、複雑で、頭の中で理解するには、もうなんだかよくわからなくなってくる。

 

上記の説明だけなら、そういうことねとわかるが、彼らが記憶の話を始めると、途端についていけなくなる。

 

ちなみに彼女側の記憶は、彼氏の未来は事前にいくらでもわかるが(現在20歳で彼と出会ったとき(再会したとき)、逆向きに時間が流れてる彼女の時間では、その時の時点で過去に出会っている彼の未来の姿はすべて知っていることになる)、しかし自分の未来(子供になっていく方向)はわからない。

 

なので、今の関係を継続させるためには、彼女は自分の未来(子供の頃に(過去の自分))を彼氏に託して、彼氏から未来の彼女へ情報を前もって教えてあげないといけない。

 

この辺の意味がよくわからないので二人の記憶について記号で表してみると

 

男 →ABCDEFG

 

女  A’B’C’D’E’F’G’←

 

男側は、AからGへと時間が流れるので、アルファベットが進むとそれ以前のアルファベットは男の過去の記憶として収納される。

 

しかし、女側は、G’から始まりA’へと逆向きに進んでいく。

 

彼氏にとってAの記憶の部分を”電車での彼女と初めて出会ったシーン”とすると、彼女にとって、その同じシーンA’(男側と区別するためA’とします)とすると、G’から始まる彼女にとっては、A’は、自分の未来の先端にあたり、その部分の彼女側の意味は、彼氏との最後の別れのシーンに当たる。

 

ここまではエピソードで理解できるが、男側が時間経過と共に記憶が蓄積されるのとは反対に、一緒にいる女側の方での記憶は、時間が流れるに連れてどんどん記憶が無くなっていくという設定がある。

 

ここがまたややこしい。

 

話で理解すると訳がわからないので数字に変換します。

 

この数字については、相手に関する情報量を表すことにします。

 

男 →0 5 10 15 20 25 30

 

女  0 5 10 15 20 25 30← 

 

男は、彼女と出会うことで最初0だったものが(誰?という状況から)どんどん彼女に関する情報量が増えていきます。一方、女側は、最初の時点で彼氏に対する情報(ストーカー並に)をたくさん持っているが、時間が経つにつれて、減っていき、最後には、0になります。

 

彼女にとって、この0(ゼロ)のところが、男にとっては彼女との初めての出会いのシーンであり、彼女にとっては、彼氏との最後の別れのシーンになる。

 

お互いその部分は、0(ゼロ)ではあるが、彼女は、彼氏の情報がどんどん減っていき、無くなる悲しさが最後の瞬間(彼氏にとって出会いのシーン)にあるという訳だ。

 

こう客観的に考えると、ようやくシーンの理解は深まるのだが。

 

ただ、実際は、二人が20歳以外の時にも会ってるので、彼女が最後の別れというシーンは、最後ではないのだ。記憶に覚えているという部分と、その年代では最後だけど。

 

そこがこの映画のシンプルではないところだろう。

 

もう一度、彼らの年齢を振り返ってみると、以下になっている。

 

男 5歳→10歳→15歳→20歳→25歳→30歳→35歳

 

女 35歳←30歳←25歳←20歳←15歳←10歳←5歳 

 

彼女は、35歳の時に彼氏の子供時代(5歳)と会って、溺れているところを助けている。彼氏にとっては、ここで彼女との出会いが始まっている。一方、彼氏側も、35歳の時に彼女(5歳)と会った時に助けている。

 

お互い、本来なら自分の未来は知らないはずだが、どういう訳か知っている。

 

男 5歳→10歳→15歳→20歳→25歳→30歳→35歳

  ↑    端と端が繋がっている     ↓

女 35歳←30歳←25歳←20歳←15歳←10歳←5歳 

 

その謎が、セリフにも出てくる。

 

お互いの未来と過去の端と端が実は繋がっているからだという。

 

そして、繋げるためにメモ書きの未来に起こる自分達の行動を実行することで、メビウスの輪のように、流れる時間が異なる二人の人生(世界)をつなげるということらしい。

 

この作品は、こう見ていくと設定の発想はかなり優れている。

 

よくこのめんどくさい設定をストーリーに載せて形にしたなと思う。発想は思いついても、ストーリーにするのがめんどくさい。

 

だが、この作品、設定は優れているが、いち人間の視点に立つと、二人の人間味(共感)があまり描かれていなくて(伝わりにくいのか)、恋愛映画として感情移入がかなり微妙だ。

 

設定がややこしいために、それ用の説明セリフが多く、恋愛映画で肝になる、男女のやりとり(シーン)における、ドキドキするような良さはあまり感じない。最初の電車での出会いが一番のピークで、それ以降は、関係が馴れ合いになってしまい、親密度の深まりを見て楽しめる感じがない。

 

それと、現実的に考えると、お互い35歳の時に5歳の子供を助けて、その子供とのちに付き合うというのは、ロリコンっぽい話ではある。

 

お互い20歳の時の話は、すごい美談で良いのだが、男が25歳の時に15歳の学生の彼女を説得するシーンは、どうも危険な香りがしちゃう。

 

しかも、子供の時に会って以来、いきなり会って相手を信用できるのかという疑問もある。年を重ねるにつれ価値観も変わるだろうし。

 

それにこの作品、相手の未来を知ってるということで言えば、いつ誰が死ぬかとかも知っていないといけないが、そういう類の話が一切ない。最初に出たけど、知らないうちにうやむやになっている。

 

彼氏側の家族と会ったときになんとなくそういう空気感のような感じはあるが、特にエピソードとして語らない。

 

自分が彼氏だったらまず、そこが一番気になる。

 

そういう基盤の上にストーリーが乗っかっていないから、話がどうも薄っぺらくみえる。

 

人間は死が前提にあるから、運命に左右されるという部分で悲しみがあるのだが、そこが描かれていないので説得力がない。

 

男 5歳→10歳→15歳→20歳→25歳→30歳→35歳

  ↑    端と端が繋がっている     ↓

女 35歳←30歳←25歳←20歳←15歳←10歳←5歳 

 

上記の輪で言えば、なぜ5歳から35歳という悩みが少ない時期でのみ回っているのか。

 

誰もが、黒板に記された?あの重なる輪を見たときに、なぜそれ以降の年が除外されてるのか。

 

35歳以降はどちらかが死んでしまうのか、その辺がもっと具体的に話として出てくれば、この20歳という時代で一緒にいることにより価値が生まれたのにと思う。

 

そんなことを深く考えちゃうとこの作品やっぱ無理だなと。逆向きの時間という概念も実際考えるとどういう状態なのかよくわからないし。

 

 

 

評価 ★☆☆☆☆ (星1つ)

 

(まとめ:作品の完成度(設定)は非常に高いが、恋愛映画としての面白さが薄い微妙作品。ストーリーは良いのに恋愛映画として見ていて惹きつけられない部分は、出演者の福士蒼汰と小松菜奈の二人の演技にもあると思う。演出もあるだろうけど。福士蒼汰は、まーあれでしょうがないとして、未来から過去を生きているという難役を担っている小松菜奈がただの不思議ちゃんの域から出ないのは問題だろう。二人とも他の映画では、魅力が出てたが、この作品に関しては、なんかビジュアル的イメージだけが維持されてるだけで人間味が出てない。結局のところ映画は完成度(設定)も大事だけど、登場人物に感情移入が出来るかどうかだな。感情移入できれば多少の細かい部分はどうでもいい感じになる。)

 

 

月は毎年4cmずつ

 

離れてってる

 

-?

 

 

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2018.07.17 Tuesday -

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