映画「人魚の眠る家」の感想(ネタバレ)

2019.11.01 Friday 邦画 サスペンス/ミステリー/スリラー

■映画「人魚の眠る家」の感想(ネタバレ)


■監督:堤幸彦
■出演:篠原涼子 西島秀俊 坂口健太郎 川栄李奈 山口紗弥加 田中哲司 田中泯 松坂慶子


【映画「人魚の眠る家」のあらすじ】

離婚寸前の薫子と和昌のもとに、祖母やいとこらとプールに行った娘の瑞穂が溺れて意識を失い、病院に運ばれたとの連絡が入る。薫子と和昌は病院に駆け付け、担当医から瑞穂を臓器移植のドナーにしないかと提案されるが薫子は拒否し、瑞穂を自宅に連れ帰る。やがて和昌が働くIT企業に勤める星野の研究が、瑞穂を生かす手助けになりそうだと考えた和昌と薫子は星野を呼び、彼に瑞穂を託す。やがて瑞穂の体に変化が表われるが……。

WOWOWから引用

【映画「人魚の眠る家」の感想(ネタバレ)】 

 

 

東野圭吾の同名小説を篠原涼子主演で映画化したミステリー。

 

また新たな東野圭吾作品を見つけたので見てみた。

 

東野圭吾作品を何本か見ていて思うのは、基本的に社会問題や最先端の科学(医学)の分野で新たに作者が知りえたことなどをヒントにして、そこからを物語を作っている。

 

少し前に見た「ダイイングアイ」(死ぬ瞬間の瞳(怨念))しかり、「片想い」(ジェンダー)しかり、この「人魚の眠る家」しかり。

 

何かしら、テーマの中で言いたいことがある。

 

ただの男女の恋愛だけとか、日常的な人間関係だけとか、特にそこに専門性がないような単純な作品みたいなのはない。何かしら知識自慢的な要素が入っている。

 

ちなみにこの「人魚の眠る家」で言えば、医学的な意味での人間の死と人としての死とは何か?について、脳死と心臓死をテーマにしている。

 

個人的に、その中で、一番気になったのが、医学的に死亡と判断される(脳死状態の人間(でも心臓は動いてる))を殺したら、法律上、殺人罪になるのか?といった問いかけ。

 

日本では、臓器移植をしない場合、人の死を、脳死と心臓死のどちらか一方によって、親族?の同意によって、死亡判定が選べるという二択システムが採用されているらしい。脳死の時点で死亡と判断しても良いし(臓器移植に同意なら脳死判定後、すぐに臓器移植を始める)、まだ生きてて欲しいと思えば、脳死状態のまま心臓死まで植物人間状態で強引に生かすことも出来る。

 

他の国は、脳死によってとか、あらかじめ決められた方法によって、どちらか一方のみを満たした時点で、自動的に決まるらしいのだが、日本だけは違うようだ。※詳しくは作品で。

 

個人的に、この作品で一番気になった部分は、上記の殺人罪のところ。

 

しかし、実際に症例がなかったからなのか、その答えはあきらかになることはなく、エンディングを迎えてしまう。

 

東野圭吾自身が、この作品を書く上で、たぶん気になっていたことだと思うのだが、やっぱりファンタジーではないので、適当なことは書けない(書いてはまずい)と判断したのか、そこの先に答えは用意されていない。

 

警察まで呼んで散々そこのテーマを盛り上げていたので、じゃあなんでそこ盛り上げたんだよというツッコミは、どうしても入れたくなってしまう。答え用意してないところを無理に持ち上げてた訳だから。

 

さらに言うと、そっちの答えが行き止まりだったので(倫理的に良くないと判断。親が娘を殺すのはさすがにね)、突如として、従姉妹が溺死(脳死に至る)事故の当時の話を上乗せするようにカミングアウトしてきたが、個人的には、そこの話はまるでいらなかったというか、むしろ邪魔にさえ思った。 従姉妹、でしゃばらなくて良い(笑)

 

結局、いろいろあって、話としては、よくある臓器移植家族のその後の感動系エピソードに収まった。

 

個人的には、最後まで攻め切って欲しかった。母親が娘を殺めて刑務所に入っていたある種、不幸だが、法律上、娘は死んでいなかったという幸福な?ラストの方が、もっと法律その他、人の死について、いろいろと考えさせられたかなと思う。

 

世界観が一部ちょっとホラーチックに描いてたので、このわかりやすい感動系ラストは、拍子抜けというか、安易な着地に思える。

 

脳死と心臓死で言えば、どちらにしても結局のところ医学上、ある種、奇跡が起きないと、意識が戻るまたは生き返るという復活(回復)はありえない訳で、そうなると、脳死といえど、心臓死にしても、前提として、意識が戻ったり、生き返ったりした際には必ず、その人の肉体という入れ物が常に、正常な状態で保存、または保持されていなければならない。この作品では主にそこに拘っている。

 

そういう前提で言えば、結局のところ、人間の死とは、肉体の死に限っての話なのか。

 

例えば、「キャプテンアメリカ ウィンターソルジャー」に出てきた博士のような、博士の脳のデータ(性格や記憶)だけをパソコンに残して、肉体は無いけど、電気的には、パソコン上で意識があり、会話も普通に出来る状態というのは、人の死ではないのか。

 

結局のところ、体に触れるとか、声が聞こえる、目で容姿がすぐに見えるとか、なんらかの情報で五感にすぐにアクセスできる状態であればあるほど、その人が生きている(死んでいない)と実感している。情報量の多さがよりリアリティに繋がる。

 

でも海外に住んでいて、実際に会ってはいないが、電話で時々話せれる状態でもまあいいわけだ。こういう場合は、見た目としての肉体の必要性は特に関係ない。そもそも、同じ家にいたとしても、部屋で区切っていれば、目の前に一緒にいない場合も多い。一日中家にいたら、外の空間が本当に同時に存在してるのかどうかも疑わしい。一応あるけど。

 

ある種、死とは、なんであれ、自分が気が向いたときにすぐにその人にアクセス出来ない状態(新たな個人情報がもらえなくなる)、それが永遠に持続するようになった瞬間ともいえる。記憶か物理的かは、長くなるので、この際置いておいて。

 

 

 

評価 ★★★☆☆ (星3.4)

 

(まとめ:奇抜なアイデアを無難なまとめで中途半端にしてしまった東野圭吾ミステリー作品。この映画を見ても分かるが、なかなかこんな娘をあやつり人形みたいな状態にして、生かしている人は少ないだろう。母親は至って真面目だが、他人事としてみてると、ある種、気持ち悪さとともに、どこかコメディにすら見えてくる。たけし軍団の誰かの両親(父親だったか母親だったか)が亡くなった時に、軍団員たちが酒に酔った勢いで両親の遺体を動かして遊んでいたという笑い話?があったが、その狂気?さを思い出した。老人と子供はまた違うけど。)

 

 

 

日本では

 

臓器移植をしない場合は

 

心臓死を持って

 

死とするとされているんです

 

-?

 

 

 

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2019.12.09 Monday -

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