映画「俺俺」の感想(ネタバレ)

  • 2020.09.19 Saturday
  • 11:47

■映画「俺俺」の感想(ネタバレ)


■監督:三木聡
■出演:亀梨和也 内田有紀 加瀬亮 キムラ緑子 高橋惠子 ふせえり 岩松了


【映画「俺俺」のあらすじ】

家電量販店で働く青年・均。ある時彼は、出来心からハンバーガー店で隣に座った会社員の携帯電話を盗み、大樹というその会社員に成り済ましてオレオレ詐欺を働いてしまう。以来、彼の周囲では奇妙な出来事が起き始める。なぜかアパートの部屋に大樹の母親が来て、均を大樹と信じて疑わず、逆に均の実家には、別の“俺”がいた。やがて均の周りには、会社員や大学生など、立場こそ違うが同じ顔をした“俺”が増殖していき……。

WOWOWから引用


【映画「俺俺」の感想(ネタバレ)】

 

星野智幸の同名小説をTVドラマ「時効警察」シリーズの三木聡監督がKAT−TUNの亀梨和也を主演に迎えて映画化したコミカルサスペンス。

 

亀梨和也が出てたので見てみた。

 

オレオレ詐欺を働いたことから不条理なことが起きるというサスペンスだが、世界観としては、”世にも奇妙な物語的”な雰囲気があり、サスペンスとしてはなかなか興味深い内容ではある。

 

ただネタバレで言うと、オレオレ詐欺をしたら”オレ”と偽った相手の人生が自分の人生と入れ替わる部分のアイデアは、かなり素晴らしいのだが、それ以降が、興味が散漫になり、物語としての吸引力が結構落ちてしまった。

 

途中から急にコミカル路線(弱コメディ調)になったのと、必要以上に、オレが増殖し、不条理だけが漂う世界になって、現実感が乏しくなった。

 

そもそも途中から自分自身の周りだけでなく、社会の世界観(ルール)も変わっていったのは、話が飛び過ぎだろう。ほんとに世にも奇妙な物語のような話だ。

 

個人的に、この物語でいえば、やはり、”オレオレ”詐欺をした人間が他人の”オレ”に成り最初は戸惑いつつも、金持ちの他人を選び、いろんな俺になるも、意外と苦痛で、やっぱり貧乏でも本来の自分の人生に戻りたくなるが、なかなか戻ることが出来ない…というようなシンプルな話の方が、普通に興味が続いて良かったと思う。

 

個人的に、”オレ”が三人になった時点で、物語の興味から離れてしまった。

 

一応、最後まで見ると、実は、最初の時点から不条理が始まっていたのか?というような意味深な感じがあるラストになっているので、その辺の解説というか、個人的に思ったことを。

 

最終的に最後まで残った”俺”とは誰だったのか?

 

この物語のオチである。

 

とりあえず、ポイントは、黄色と赤の腕時計。

 

物語の主役とされる均(ひとし)は、最初、赤の腕時計をしているが、途中から自分との入れ替わりをさせるために、それをナオに渡し、自分は黄色の腕時計を嵌める。

 

時々、均に成り代わっていたナオ(実際このナオかどうかはわからないが)は、赤色の腕時計をしたまま大樹に殺されたことになり、その大樹は、ナオに成り代わって、均を殺しに来るが、均はその大樹を返り討ちにする。大樹はそれで死に最後に残ったのは当初からの主役の均となった。

 

この物語の流れ(理解)で行くと、最後には均が残ったことになるが、最後の母親との会話シーンにはどこか違和感があるし、最後の均と思われる”俺”が見せる表情にも意味深さがある。

 

この最後の表情をどう捉えるかによって、誰が最後に残ったのか結末は変わってくる。

 

最後に主役の均が残ったという単純な理解で行けば、ここの表情の理由は、いろいろあったことで、ようやく母親の事(下の名前で呼ぶ)も認めることが出来たというハッピーエンド的な表情としても見えなくもないが、一方で、上手く成り代われたしめしめという表情であれば、この最後は均ではない場合もある、

 

では、その場合は、一体誰が成り代わっていたのか。

 

個人的には、ナオもしくは、全く関係ない別の誰かということになる。

 

ナオが最後の場合の流れは、ナオが事前に身代わりを立てており、その人間を大樹がナオだと誤解して殺した場合、本物のナオは、まだ生きてる可能性がある。そもそも最初の削除(殺し)を始めたのは、ナオであり、自分が最終的に殺される対象になるのは、予想できるため、途中で均から預かった赤の腕時計を他の”俺”に渡すことで、ナオ自身の存在は消せるのだ。

 

身代わりのナオが死に、そのまま本物のナオは身を隠していれば、死んだことになっていて最後まで生き延びることが出来る。

 

均が死んだナオに成り代わった大樹を殺し、最後の均(俺)が決まったところで、ナオが均を削除すれば、均に成り代われる。

 

ちなみに、ナオが最後に残ったと思われる理由には、もうひとつ理由(伏線)があり。オレオレ詐欺を働いた後、均の家に大樹の母親が急に訪ねてきた後、自分の実家に戻ると、すでに大樹が成り代わっていて、実の母親からも他人扱いされ追い返されるシーンがある。

 

その際に、大樹は、昨日も同じように訪ねてきた人間(俺)がいてそいつを同じように追い返したと語る。本物の均は、昨日は家に帰っていないと答えるのだが、この時点ですでに、本物の均に成り代わろうとしていた人間が、大樹以外にも別にいたことがわかる。

 

さらにその人間は茶髪だったという。

 

ちなみに、ナオは、大樹に紹介され、本物の均と初めて会った時、自分が永野均だと強く言い張っている。この流れを回収すると、最後に残っていたのは均に成り代わったナオということがかなり濃厚に見える。

 

この場合、やはり、最後に自分の母親を下の名前で呼ぶことを頑なに嫌っていた本物の均が、マセエ”さん”と意味深に下の名前を”さん”付けで呼ぶのは気持ち悪く、誰かが均に成り代わっていたと考える方が、自然だろう。

 

ナオ以外の他人と言う可能性も否定できないが、最後に本物の均がしていた黄色の腕時計を嵌めるという演出が、ようやく本物に成り代われたという演出的意味合いがあった(今まではずっと借りた赤の腕時計をしていた)と考えると、最後は、ナオだったということが一番しっくりくる。

 

ということで、最後に残ったのは、ナオだと思われる。

 

 

 

評価 ★★★☆☆ (星3.4)

 

(まとめ:オレオレ詐欺からのアイデアが光るが、細かい部分がかなり惜しい不条理サスペンス。コミカル部分はいらないが、サスペンスとしては、もう一度見返したくなる要素(伏線)がある興味深い作品です。個人的には、内田有紀の魅力が出ていて、すでに40歳を超えているにもかかわらず、良さを改めて再確認させられたのは、この映画の発見。あとお母さん役の二人も妙に艶がある。)

 

 

 

俺が”俺”だ

 

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