映画「ファーストフードネイション」の感想(ネタバレ)

2010.06.18 Friday 映画レビュー(★★★★★)作品

■映画「ファーストフードネイション」の感想(ネタバレ)

 

■監督:リチャード・リンクレイター 
■出演者:グレッグ・キニア イーサン・ホーク アヴリル・ラヴィーン パトリシア・アークエット ポール・ダノ ブルース・ウィリス 

ハンバーガーを30日間食べ続けたらどうなるか?という人体への影響を実際に体験して綴ったドキュメンタリー映画があったが、その作品だと思ってWOWOWを録画してみたら、全然違っていたという、間違って録画してしまったこの映画「ファーストフードネイション」。

しかし、見た後にわかったが、この映画の出演者は、見れば解るとおり、かなりの豪華キャスト。ブルースウィリスやイサンホークも出てるし、なぜか歌手のアヴリルラヴィーンも出演している。

ちなみにこの映画もハンバーガー業界の裏側を綴ったノンフィクションの書籍を原作にしたもので、食(ファーストフードのハンバーガー)に対して、かなりの衝撃的なことが描かれている。

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原作は、食のジャーナリストのエリック・シュローサーが書いた「ファーストフードが世界を食いつくす」がもとになっているらしく、この映画の脚本もこの原作者が兼ねているということで、精肉業界のリアルな裏側が見れる。

今まで、ハンバーガーを始め肉を食べるということに対して、美味い、安いということ以外に特に感じることも無かったいろいろな感情が、この映画を観ると沸々と湧き出す。

ストーリーは、ハンバーガーの肉の中にフンが混入しているという情報を受けた幹部が、その原因を調べるために店舗や牧場、精肉工場を調べに行くというところから物語がスタートする。その後、働くもの、雇うもの、など様々な視点で描かれていく。

精肉業を支えているのが、実はメキシコ?からの不法入国者で、自国(メキシコ?)では大人が丸一日働いても3〜4ドルしか稼げないが、アメリカで働くと時給10ドルで自国での一か月分の給料に相当する額を一日で稼げるということから、危険を冒してでも出稼ぎにくる不法入国者が後を絶たない。※またそれを専門に斡旋する業者?もいる。

しかし、不法入国者ということで、肉の加工時に指や足を落としてしまう危険がある精肉業の仕事では、いざってときの傷害保証(日本で言うところの労災)はほぼなく、何かあっても不法入国者と言う事実があるため、公には企業を訴えることもできず、結局泣き寝入りすることになる。

不法入国者にとっては一生懸命働いても、お金以外にアメリカで得られるものは少ない。

ただ、企業側にとっては、一生懸命働いてくれる不法入国者のような労働者は、不法入国者とわかっていたとしても雇用を容認しているといえる。この背景には、少しでも肉の原価を安くしようとする価格競争や効率化、システム化などが要因にある。

また、消費者側が常に安い価格を求めている以上、この問題はなくならないという皮肉がラストには込められていて、結局、上層部の会議で、価格が問題に上がれば、そのコストを下げるために底辺の人間が影響を受ける。そして、そのしっぺ返しが、安いだけで質の悪い肉として消費者に周ってくるという弊害がある。

これ以外にもいろいろとハンバーガー(肉)というビジネスを行う上での、政治との関係など内部事情などがリアルに語られているが、一番衝撃的なのが、牛が肉になる工程をリアルにそのまま映した、精肉工場内の映像だと思う。

この映画がR15指定相当になっているのはたぶんこの部分のためだろう。

コーエン兄妹の映画「ノーカントリー」の殺し屋が使っていたガス?の銃を使い、ベルトコンベアーで流れてきた、生きた牛の眉間に押し当て引き金を引く。眉間に銃?を当てられた牛はスコン!と言う乾いた音だけが響いて一瞬で死んでしまう。

殺された牛は、またレールを流れると、逆さまにさせられ首の辺りから血が抜かれ、外側の皮をはがれると、足や首を切断される。首だけになった牛の頭は専用の籠に集められる。牛の頭だけが並んだこのシーンはかなり衝撃的。

そして、はらわたは、肉の部分と腸に分けられ、これもまた、腸だけが集められる。魚の腸ですら、さばくと見た目はひどいが、牛の腸はさらにでかく、ブヨブヨとして気持ち悪い。

最終的に、肉の部分は、白身と赤み、サーロインなど部位によって手作業で切り分けられる。

集められたハンバーガー用の肉は、専用の機械で一度ミンチにされ、ハンバーガーのサイズに成型なり、冷凍後、箱詰めしたのち、それぞれの店舗へ向かう。

以下の流れが、ハンバーガーが牛から作られるまでの基本的な流れだが、牛が肉になる工程は、ある種、殺戮のようで血が滴る映像は観るだけでもかなりの衝撃を受ける。これを実際に行っている現場にいったら、もう肉は食べられなくなりそうだ。

仕事が分業されているため、自分も含め一般の人は肉を食べるということに、牛や豚などの動物を殺している感覚は、ほぼないが、この映画「ファーストフードネイション」を観ると、人は他の動物の命を喰って生き伸びているということを再認識させられる。

★★★★★ (評価 星5つ)

(これを書いているどこかで、牛の眉間にガス?銃を当てている人がいて、その人はどういう気持ちで毎日牛を殺しているのかを考えると、肉(動物)を消費するということに対していろいろな感情が湧き上がり、肉に対しての価値観が変わる映画といえます。こんなことを書きつつ、また当たり前のように旨いと言って肉を食べてしまう自分がいるのも嫌ですが、せめてファーストフードのハンバーガーを食べるのだけはやめたいと思う。ちなみに、この映画の話はアメリカの話なので日本のハンバーガーチェーンとの関係性についてはわからない。)


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2018.07.17 Tuesday -

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