ジェイ・チョウ初監督の映画「言えない秘密」の感想(ネタバレ)

2010.08.11 Wednesday 台湾映画 レビュー

■ジェイ・チョウ初監督の映画「言えない秘密」の感想(ネタバレ)

 

■監督 ジェイ・チョウ
■出演 ジェイ・チョウ  グイ・ルンメイ  アリス・ツォン アンソニー・ウォン  ホアン・ジュンラン  ダントウ   スー・ミンミン   ユーハオ

WOWOWで放送していた台湾映画「言えない秘密」を見てみました。この作品は、台湾で人気のミュージシャンジェイチョウが初監督した作品です。

【映画「言えない秘密」のあらすじ】

父が教師を務める音楽学校に転入したシャンルン(ジェイチョウ)は、旧校舎から聞こえる美しいメロディに誘われ、女生徒のシャオユー(グイルンメイ)と出会う。

母のいないシャンルンと父のいないシャオユー、似た境遇の2人は次第に心を通わせて行く。

喘息で学校を休みがちなシャオユーを心配するシャンルンは、あるとき、久しぶりに登校した彼女と放課後のピアノ室で会う約束を交わす。

だが、そこに現われたのは彼に思いを寄せる同級生、チンイーだった。チンイーと知らずにキスをしてしまったシャンルイだったが、その現場を偶然シャオユーに見られてしまう。

誤解を解くためにシャオユーを探すシャンルイだが、それ以降シャオユーは学校に来なくなってしまう。シャオユーの家を訪ねてみるが、母親にずいぶん前に退学した、今寝ているからと門前払いされてしまう。

それから5ヵ月後、卒業式のクラシック演奏会でシャオユーのためにピアノを弾く約束をしていたシャンルイは、約束通りステージに立つ。遠くからシャオユーが見ていることに気づいたシャンルイは、演奏を途中で止め、逃げるシャオユーの後を追うと、シャオユーを抱きしめる。

教師をしているシャンルイの父親は、演奏を途中で止めたシャンルイの後を追うと、シャンルイが一人でいるところ発見し、戻るように促す。

急いで戻ってきたシャンルイだったが、すでに演奏は終わっていた。すぐさま友人に女の子を見なかったと聞くが、「ダンスパーティの時もお前は一人で踊っていた」と言われる。

不可解に思うシャンルイは、シャオユーとの過去を振り返り、シャオユーの住んでいる家に行く。

母親に案内されて部屋に入ると、シャオユーはそこにはいなく、そこだけ時が止まってしまったかのように、埃を被ったピアノや机などが置かれていた。その中から、古びた一枚の似顔絵を発見すると、シャンルイの顔と瓜二つの似顔絵を見比べた母親は驚いてしまう。それはシャオユーが、20年前に書いたものだった。

家に戻ったシャンルイは、長年音楽学校の教師をしている父にシャオユーのことを尋ねる。父親は、今でも気になっていたある女子生徒のことを話す。その女子生徒は、ピアノが上手かったが、妄想癖があり、そのため同級生と馴染めず、いつも一人だった。そして、そんな彼女の恋愛相談にもよく乗っていたという。

その話を聞いたシャンルイは、その女子生徒の話に出てくる男子生徒の話がすべて自分のことだったことに気づく。シャンルイのキスを見て、傷ついてシャオユーが逃げたことも。

シャンルイは、シャオユーが言っていた「誰にも言えない秘密」に関わることで、旧校舎に置いてある古いピアノでは絶対に弾かないでと言っていた、ある曲のことを思い出す。その古いピアノとメロディが現在と過去を結んでいた。

古いピアノが置いてある旧校舎は、取り壊しが決まっており、すでに黄色いテープが張られ、重機が校舎の外を囲んでいた。なんとか古いピアノの前に座ったシャンルイは、シャオユーと出会う前に聞こえてきたメロディを、思い出すように弾き始める。そして、現在から過去に戻るテンポは、シャオユーに教えてもらった速度で…。

シャンルイは、20年前の学校に戻ると、教室で一人机にうなだれていたシャオユーと再会する…。

【映画「言えない秘密」の感想】

評価 ★★★★★ (星5つ)

(ジェイ・チョウ本人がミュージシャンでピアニストとしても素晴らしいテクニックを持っているのだが、そのテクニックをこの映画で惜しみなく披露している。しかも、ジェイ・チョウはこの映画で監督、主演、脚本、音楽まで担当しており、まさにジェイチョウ自身がやりたいことをすべてやろうとしている映画といえる。

しかも音楽をやっている人なら憧れるような、ピアノバトルなどのにくい演出をはじめ、ピアノに隠された秘密もストーリーに組み込まれ、物語と共に楽器や音楽も一緒に楽しめる映画になっている。

ジェイチョウ本人がミュージシャンということもあり、ピアノ(楽器)を映画に取り込む時の、視点の上手さが光っている。音楽の見せ方や楽しさを分かっているなとただただ共感するばかり。

映画の中のラブストーリーも切ないが、ジェイチョウが発掘したという相手役(シャオユー)のグイ・ルンメイという子もかわいい。音楽が好きな人、特にピアノを習ったことがある人は、より楽しめる映画ですね。

ちなみにこの映画「言えない秘密」のサントラもかなりおすすめだと思います。何をやらせてもそつなくこなすジェイチョウの才能の凄さには、ただただ嫉妬するばかり‥)


関連記事>>>映画「言えない秘密」(台湾版)のサウンドトラック(OST)を買ってみた!


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2018.07.17 Tuesday -

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    コメント

    • あらすじ、詳しいですねー。でも、最後ちょっとだけ違うかな?と思います。あくまで私見なので読み飛ばしてくださいね。

      >そして、現在から過去に戻るテンポは、
      >シャオユーに教えてもらった速度で…。
      >シャンルイは、20年前の学校に戻ると、
      >教室で一人机にうなだれていたシャオユー
      >と再会する…。

      教室にいたシャオユーは、一人で勉強はしていますが、うなだれているわけではないんです。教室に入ってきた(見知らぬ)男子に、ちょっとはにかんで「誰かな?」的な明るい笑顔をかえしていますよね?

      つまり、シャンルンはシャオユーが弾いた「Secret」の楽譜を完コピして弾いたんですが(ピアノバトルでもわかるように、シャンルンは完コピが得意)、ちょっとだけ“テンポ”が早かったのです。劇中、シャオユーがシャンルンへ最初に曲を教える時「帰る時は早く弾くの」と言ってるように“演奏のスピード”もキーなんです。(「帰る時」を、映画を観てる人は“帰宅する時”と置き換えたはずです。)

      そのために、いつもシャオユーが戻る20年前ではなく、もう少し前(数ヶ月?数日?)に戻ってしまったわけです。なので、シャオユーは「Secret」の楽譜も見つけてないので未来のシャンルンにも出会ってません。友人からのイジメにも遭ってないし、ピアノ好きで優等生な大人しい女の子として存在しています。そのアトの卒業式の記念撮影シーンでは級友たちと楽しそうに写っていて、彼女の隣には同じく笑顔のシャンルンが。

      タイムパラドックスの矛盾は置いておいて(苦笑)、残された父親のことや校舎が取壊されちゃってピアノも破損、もう元の時代に帰れないとか色々思うと切ないですが、最後はハッピーエンドとして描かれていると思います。伏線も楽しめるし余韻の残るとても素敵な映画でした。
    • 通りすがり | 2010/08/13 4:46 PM
    • 通りすがりさん


      はじめまして。
      コメントありがとうございます。

      実は、WOWOWで昨年放送していたのを、一年経った今急に思い出しながら、あらすじを再度書いてみました。(※最近サントラを購入して再び熱が出てきたのもありますが)通りすがりさんがおっしゃるように、細かい部分の繋がりは、私の私見と記憶が不確かなためちょっと強引になってしまいました。すみません。この映画は、細かく書こうとすればするほど、伏線が多くてあれも書かなければと、どんどん長くなっていき当初の予定とは違って意外とあらすじが長くなってしまいました。あと書いているとなぜか気持ちも入ってきますし。

      >いつもシャオユーが戻る20年前ではなく、もう少し前(数ヶ月?数日?)に戻ってしまったわけです。

      この部分はそういうことだったんですね。私の理解が届きませんでした。てっきり、「愛してる」と机に修正ペンでやりとりした直後位の時間に戻ったのかと思っていて、シャンルングッドタイミングと思っていましたが…。それだと卒業式(記念撮影)はすでに終わってますね。

      通りすがりさんの見解ですと、20年前に戻ったシャンルンはシャオユーと出会いから再度やり直しってことになるんですね。なんかすごくいい話ですね。
    • 管理人 | 2010/08/14 3:04 AM
    • こんにちは
      はじめまして。
      実は先ほどBSで放映されてまして、初めて見ました。
      正直全くの内容もわからず見ていたので初めは恋愛もの?なんて軽く流してましたが後半よりすごい展開となり見入ってしまいました。しかしながら入りが中途半端なために最後は意味がわからず検索よりこちらにお邪魔させてもらいました!
      通りすがりさんの説明もものすごくわかり感謝してます。
      私にも娘がいますが親や大人って子供の事を信じるって大切なんだなって事と、昔からいる用務員さん?がピュアな心の持ち主だからシャオユーが見えたのかななんて細かいところも感心することができとても素敵な映画だと思いました。結構娘と映画を見るんですが質問責めされるんです。さっそく借りてきて娘と一緒に鑑賞して解説してあげようと思います。またお邪魔させて頂きますね。


    • あみゆ | 2010/09/06 2:42 PM
    • あみゆさん


      はじめまして!
      コメントありがとうございます^^

      >正直全くの内容もわからず見ていたので初めは恋愛もの?なんて軽く流してましたが後半よりすごい展開となり見入ってしまいました。しかしながら入りが中途半端なために最後は意味がわからず検索よりこちらにお邪魔させてもらいました!

      この映画は、一見ジェイチョウのアイドル的な?恋愛映画かと思いきや、内容は意外と複雑で難しいところがあります。私も通りすがりさんのコメントを拝見し、映画の趣旨がやっと理解できました。ラストは、悲しい部分もありますが、全体を通して切なくも甘い恋愛映画で、何度でも見たい(見れる)良い映画ですね。

    • 管理人 | 2010/09/09 3:21 PM
    • 今度1月10日にまたまたBSジャパンで放送予定です。
       この映画には,ふとしたきっかけでのめりこみました。YouTubeで全編が見られましたが,なにせ字幕がないまま想像で見ていました。その後リージョン0のDVDを手に入れて,これが英語字幕。今回も何度目かの放送になるらしいのですが,この日本語字幕のBSの画面はなんと鮮明なことと感心しています。
       タイムパラドックスを含む映画には,なぜか惹きつけられるものがあります。韓国映画の「イルマーレ」,これも斬新でした。タイムパラドックスでしか語れない何かを語りたい,そういう思いが映画作りに現れているのかと思いながら,謎の中にからまれると思っては見るものの,それでもいっそう惹きつけられます。
       この頁に書かれていることから,また見る楽しみがふえました。ありがとう。
    • goto | 2011/01/06 11:11 PM
    • gotoさん



      はじめまして

      コメントありがとうございます!

      「言えない秘密」また放送するんですね。

      この映画は、たぶんレンタルとかではまだ開始されていないと思うのでテレビ放送は毎回貴重ですね。

      >タイムパラドックスを含む映画には,なぜか惹きつけられるものがあります。韓国映画の「イルマーレ」,これも斬新でした。タイムパラドックスでしか語れない何かを語りたい,そういう思いが映画作りに現れているのかと思いながら,謎の中にからまれると思っては見るものの,それでもいっそう惹きつけられます。

      「イルマーレ」私も見ました。韓国オリジナル、ハリウッド版リメイクの両方見ましたが、どちらも良かったです。

      現在と未来のズレがなんとも切ない感じに交錯しているのが、なんともいえない気持ちにさせてくれます。
    • 管理人 | 2011/01/08 2:34 PM
    • 台湾版「時をかける少女」
      DVDレンタルが開始されたので今日見ました。

      私も最初はネットの動画サイトで偶然見つけて、中国語で見たのでわからない点が多々あったものの、主演二人の初々しさ、(シャンルンは女の扱いに慣れた感じが・笑)、音楽もいいし、レトロな映像もセンスあるし、ピアノバトルのシーンなどもあって、セリフがわからなくても楽しめてました。でも、謎が知りた〜い、日本語で見たい!の念願がdvd化でやっと叶った。満足です。

      最初は台湾アイドルが撮った青春ものか、ぐらいの色メガネで見てしまいそうになるけど、初監督にしては見事。映画としてまとまっているし、絵の撮り方や音楽効果と併せた場面の盛り上げも上手い。評判の高いラストの緊張感や一気なまとめ上げも見事。ドキドキさせられます。反面、前半部分がちょっとノロく、間伸びするというか、同級生不良2人組のプロットは本当に必要だろうか?
      あと、アンソニー・ウォンさんのパパもいい!存在感のあるいい役者さんですね。

      私はアラフォーになってしまったけれど、こういうピュアさ、もう戻ることはできないけれど、この映画を見ながらタイムスリップしちゃいますね。他人には言えないけれど、大事にしまっておきたい感じです。
      何年かおきに、また、ふっと見たくなる、そんな映画です。







    • 紗綾 | 2011/06/11 11:42 AM
    • 紗綾さん


      こんばんは!

      コメントありがとうございます^^

      >日本語で見たい!の念願がdvd化でやっと叶った。満足です。

      ようやくこの映画もDVD化されたんですね^^

      個人的には、すごく良い映画なのになぜ今までDVD化されなかったのか不思議なくらいですが…。

      >最初は台湾アイドルが撮った青春ものか、ぐらいの色メガネで見てしまいそうになるけど、初監督にしては見事。映画としてまとまっているし、絵の撮り方や音楽効果と併せた場面の盛り上げも上手い。

      主演や音楽も含め製作としてもジェイがかなり参加していますが、初監督としてこの出来は素晴らしいですよね。

      ピアノバトルなどたぶんミュージシャン(ピアニスト)として一番やりたかったこともしっかり入れてますし。

      >同級生不良2人組のプロットは本当に必要だろうか?

      ここのシーンは全体的に観るとそれほど必要性は薄いですね。個人的には主人公(シャンルン)の学校での位置を表すためにあえて入れていたのかもと思っています。※詳しくは知りませんが(笑)

      >この映画を見ながらタイムスリップしちゃいますね。他人には言えないけれど、大事にしまっておきたい感じです。
      何年かおきに、また、ふっと見たくなる、そんな映画です。


      ”大事にしまっておきたい”という感じよくわかります。特に学校制度から離れてしまうと、ふと気になって見返したくなりますね。しっとりした映画の雰囲気も良いですし。
    • 管理人 | 2011/06/12 2:12 AM
    • 初めまして、この映画2月にチャンネルNECOで放送があり初めて見ましたが美しさと素晴らしさと切なさに溢れたとても良い映画だと思いました。
      ピアノを通してそれがタイムワープ?のようになるというはとても斬新でしたね。
      最後に写真の中だけでしたが1979年に行ってしまった1999年の彼はその後どういう人生を歩んだのか彼女と添い遂げたのかも知りたいですね。
    • マイク | 2012/04/10 3:38 PM
    • マイクさん


      こんばんは!

      コメントありがとうございます^^


      チャンネルNECOでも放送されてたんですね。
      最近は結構いろんなところで放送されているみたいですね。この映画は結構好きなので、地上波でもぜひ放送を期待したいです^^

      >ピアノを通してそれがタイムワープ?のようになるというはとても斬新でしたね。

      ここのピアノの使い方はとても粋ですね^^

      >最後に写真の中だけでしたが1979年に行ってしまった1999年の彼はその後どういう人生を歩んだのか彼女と添い遂げたのかも知りたいですね。

      この映画のラストは、物語(映画)の終わりとしては余韻を感じる良い終わり方ですね。あえてその先を描かなかったのは、視聴者の想像(理想)に委ねたのかもしれません。個人的には現在同様にハッピーエンドを迎えたとベタに想像しています^^
    • 管理人 | 2012/04/10 11:58 PM

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