映画「手紙」の感想(ネタバレ)

2011.06.05 Sunday 邦画 人間ドラマ/ヒューマン

■映画「手紙」の感想(ネタバレ)



■監督:生野慈朗
■出演者:山田孝之 玉山鉄二 沢尻エリカ 吹石一恵 尾上寛之 田中要次 吹越満 風間杜夫 杉浦直樹

WOWOWで放送していた映画「手紙」を鑑賞。

【映画「手紙」のあらすじ】

両親が亡くなり、兄弟2人で生きてきた剛志と直貴。だが剛志は弟・直貴の進学費用欲しさに空き巣をし、その際過って1人の女性を殺してしまった。剛志は無期懲役の判決を受け、獄中では弟との手紙のやり取りだけが唯一の慰めとなる。一方直貴は、兄が殺人者ということが知られるたび職も住居も追われ、恋愛すらままならない孤独な生活を送る。そんな直貴にとって、少年時代から親友と続けていた漫才だけが希望となっていたが……。

※WOWOWから引用

【映画「手紙」の感想(ネタバレ)】

人殺しの兄を持った弟の人生の苦悩を描く感動作。

ある不幸な出来事(犯罪)が起きた時に加害者と被害者という両方の立場があるが、この映画は加害者側の家族という、ニュースでもあまりスポットが当たらない部分に注目した作品。

自ら罪を犯してしまった犯罪者に対して、社会の批判の的が行くのは理解できるが、事件とは直接関係ないその家族が、犯罪者と血が繋がっているという理由だけで、犯罪者と同様に社会から差別的扱いを受けるのは、なんとも見ていてやりきれない気持ちになる。

被害者側から見たら犯罪者の家族も批判されて当たり前だという考えもあるが、犯罪者の家族の背景を知ってしまうと、そう単純な話ではなくなってくるのが人の心情。

罪を憎んで人を憎まず”という言葉があるが、この解釈が”罪と人”に対する最上級の解釈といえるが、犯罪者(家族を含む)を前にこの解釈でいられるかというと、その人の考え方や生き方が大いに関係してくる。

結局のところ、加害者家族にとっては、社会からの偏見や差別は変えられないので、その現実を受け入れ、社会と共存できるように変わっていかなければならない。


評価 ★★★★★ (星5つ)

(この映画は、山田孝之、玉山鉄二、沢尻エリカら若手俳優の演技が素晴らしい。ラストの刑務所での漫才で、涙を流して拝む玉山鉄二の演技にやられかなり泣けてくる。こういう内面を描く作品はやばい。そして、一番はキャバ嬢風ファッションで関西弁をしゃべる沢尻エリカが最高。個人的に最近のイチオシ天使の恋の佐々木希を越えたと思う。佐々木希も可愛いが、沢尻エリカには色気がある。)

差別のない場所を探すんじゃない

君はここで生きていくんだ!

-平野


手紙 プレミアム版



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映画「人間失格」の感想(ネタバレ)

2011.04.25 Monday 邦画 人間ドラマ/ヒューマン

■映画「人間失格」の感想(ネタバレ)



■監督:荒戸源次郎
■出演者:生田斗真 伊勢谷友介 寺島しのぶ 石原さとみ 小池栄子 坂井真紀 森田剛 大楠道代 三田佳子

WOWOWで放送していた映画「人間失格」を鑑賞。

【映画「人間失格」のあらすじ】

父親は貴族員議員で資産家、という津軽きっての名家のお坊ちゃんとして生まれ育った大庭葉蔵。上京して高等学校に入学した葉蔵は、同じ画塾に通う6歳年上の堀木という男と知り合って遊び人の彼に感化され、葉蔵自身、酒や女に溺れるすっかり自堕落な放蕩生活を送るようになる。やがて葉蔵は、カフェのウェイトレス・常子と鎌倉の海で心中自殺を図るが、彼1人生き残るはめとなり、その後もさまざまな女たちの間を渡り歩いていく。

※WOWOWから引用

【映画「人間失格」の感想(ネタバレ)】

お笑い芸人ピースのボケ担当の又吉が大好きな小説家太宰治の同名原作小説「人間失格」をジャニーズの生田斗真を主演に迎えて初映画化した話題作。

原作はこちら↓


「人間失格」の原作は読んだ事が無く、小説家”太宰治”についてもよく知らないが、映画を観るとタイトル通りの「人間失格」な感じは主人公からひしひしと伝わってくる。

始めは、この主人公(葉蔵)に入り込めず、この映画大丈夫か?と思っていたが、遊び人の年上の男と出会い、その影響で酒と女を覚え、寺島しのぶ演じる常子とクラブで知り合ってからは、なかなか興味深くなる。

だが、生きがいを見つけられない主人公はその彼女を誘い薬を飲んで海に入る心中自殺を計るが、女性だけ死に自分は助かってしまう。

この辺りから、彼女の罪を背負って生きることになった主人公にだんだん引き込まれていく。

魅力的な容姿を持つ主人公は、行く先々で女性と恋愛関係になるが、生きがいはやめられない酒でその間を埋めるのが女性という典型的なダメ人間の道を進んでいく。

心中した彼女が亡くなっただけなら、まだしもようやく年下の無垢な女性(石原さとみ演じる良子)と知り合い、結婚し幸せな家庭を築くが、それも間もなく妻が他の男とやっているところ(レイプ?)を目撃してしまい、そのショックを忘れようと、再び酒を飲み、それでも耐えられなくなると大量の薬を飲み自殺を計ってしまう。

結局、この自殺でも死に切れずまた助かってしまう。

更生しようと唯一才能のある漫画を描く仕事を始めるが、アルコールがないと何もひらめかず、酒を断つため薬屋を訪れるが、そこの女性店主に、酒より害が少ないからと注射器を渡される。

それが原因で今度は、アル中からヤク中になってしまう。

結局、喀血するほど体調が悪くなった葉蔵を心配した執事が、葉蔵を療養所に送るが、療養所にいる間に、資産家の父親が死ぬと、財産はすべて兄が引き継ぎ、葉蔵は若くして、兄の命令で田舎での隠居生活に入る。

そこには葉蔵の世話人として、ふたまわり以上離れた老女(三田佳子演じる鉄)がいたが、葉蔵は、寂しさのあまりその女性とも関係を持つようになる。

最後は、その隠居場所からも離れ電車に乗ると、日中戦争に不満を言う兵隊らが一緒に乗っており…。

評価 ★★★☆☆ (星3.5個)

(物語は、単純で女と酒、薬という短絡的な欲望と芸術以外に特に生きがいがない男の人生が描かれている。タイトルにある”人間失格”という部分では、心中自殺で彼女を殺してしまった罪、戦争や生きることに必死な世間の人々とはかけ離れたところで、ただ堕落するようにアル中、ヤク中、女性に走っているという部分が大きく占めている。

ただ、この主人公が度々発する、や、金の切れ目は縁の切れ目の考え方などは、人間の本質を突いていて、世間のいわゆる固定観念とは別の領域で生きている人物とも思える。ある種、人生を達観しているため、洗脳が解けて世間のすべてに価値がないことに気づいてしまった空虚感がそこにあるという生き方の典型例。いろいろ考えると深いものがある。ちなみに原作と映画は異なる部分も多いようなので、太宰治の真意を理解するには原作を読む必要がある。)

人間失格

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映画「さまよう刃」の感想(ネタバレ)

2011.03.15 Tuesday 邦画 人間ドラマ/ヒューマン

■映画「さまよう刃」の感想(ネタバレ)



■監督:益子昌一 
■出演者:寺尾聰 竹野内豊 伊東四朗 長谷川初範 岡田亮輔 黒田耕平 酒井美紀

WOWOWで放送していた映画「さまよう刃」を鑑賞。

【映画「さまよう刃」のあらすじ】

ある晩、帰宅途中の中学生の少女が、何者かに凌辱・惨殺されて死体で発見される事件が発生。被害者の父親・長峰重樹は、2年前にも妻を亡くしていて、すっかり絶望感に打ちひしがれることに。やがて匿名の密告電話によって、娘を惨殺したのが菅野と伴崎という2人の未成年の少年たちであることを知った長峰は、怒りに駆られて伴崎を殺害し、残りの菅野の行方を追う。織部、真野の刑事2人も、必死にそのあとを追いかけるのだが…。

※WOWOWから引用

【映画「さまよう刃」の感想(ネタバレ)】

一人娘を暴行された挙句、殺害された娘の父親が犯人たちに復讐を始める。

正義とは?法律とは何か?というテーマを扱った東野圭吾原作の作品ですが、こちらは、以前の東野圭吾原作の映画「変身」と比べても出来が良く、見終わった後、見ている最中にいろいろと考えさせられる作品。

女子中学生を暴行した挙句、殺害し土手に捨てた二人の若者。未成年のため、捕まったところで行いに対する極刑は望めない。その法律(制度)の矛盾に、娘を殺された父親は、自分自身で犯人らへの罰(制裁)を実行し始める。

一方、この事件を担当する刑事は、法律的な観点からの犯人への刑罰の軽さを知りながらも、警察の役目は法律に従い、殺人犯の身柄を押さえることだった。

殺人犯の身柄を押さえれば、娘を殺害された父親の想いは報われない。すでに復讐のため犯人を一人殺害している父親の将来は、絶望的だった。

そして、犯人と父親が遭遇する可能性が高まった時、警察は、父親が犯人を殺害しようものなら、犯人の安全を守るために父親を撃たなければならない。

警察、娘を殺された父親、殺人犯。罪に対して微妙な審判を下す法律(制度)の矛盾に巻き込まれた人達の、それぞれの人間模様が見どころになっている。


評価 ★★★★☆ (星4つ)

(ラストは、父親が犯人を猟銃で殺害しようとしたため、警察に撃たれて死んでしまう。のちに、父親が持っていた猟銃の弾は空砲だったことがわかる。父親は、自分の死を持って犯人への罪の重さを示すことにしたが、その犯人の裁判の結果は…(わからない)。この映画を観ると、死刑制度や罪と罰について考えさせられる。また父親の取る行動には、いけないことだとわかりながらも激しく共感してしまう。国は、犯罪者も含めてすべての責任を取るような大きな器になっているため、巻き込まれた被害者は、ただただそれを受け入れるしかない…。)


さまよう刃

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映画「引き出しの中のラブレター」の感想(ネタバレ)

2011.02.08 Tuesday 邦画 人間ドラマ/ヒューマン

■映画「引き出しの中のラブレター」の感想(ネタバレ)



■監督:三城真一
■出演者:常盤貴子  林遣都  中島知子  岩尾望  竹財輝之助  萩原聖人  八千草薫 仲代達矢
  
WOWOWで放送していた映画「引き出しの中のラブレター」を鑑賞。

【映画「引き出しの中のラブレター」のあらすじ】

ラジオパーソナリティの真生は、仕事や将来のことで仲違いしたままだった父の訃報を受け取る。遺品の中から、自分に宛てた未投函の手紙を見つけた彼女は、父と生前もっと話しておけば良かったと後悔を感じる。そんなとき、彼女の番組に「笑わない祖父を笑わせたい」という北海道の高校生・直樹からの手紙が届く。彼の願いをなんとか叶えたいと尽力する真生は、やがて大切な人への届けられない想いをラジオで届ける番組を企画する。

※WOWOWから引用

【映画「引き出しの中のラブレター」の感想+あらすじ】


「人と気持ちがすれ違ってしまった時、

そのままにすると、そのとき生まれたわだかまりは

ひとりでに膨らんでいってしまうから

大切な人が離れてしまう前に、連絡しなければ…」


「よく”君を幸せにする”というセリフがドラマであるけど

人を幸せに出来る人は、言わなくても自然に人を幸せに出来るんじゃないだろうか。

反対に身近な人も幸せに出来ない人は誰も幸せにできない」


上記の言葉は、常盤貴子演じる真生が書いたコラムの一説ですが、この映画は、そんな彼女の温かい人柄(想い)が伝わってくるような物語になっている。

一枚の悩み相談のハガキをもらったラジオパーソナリティをしている真生(常盤貴子)は、その悩みに対し、自分の答えを見つけれず、その場しのぎの適当な回答をしてしまう。リスナーの悩みに真剣に答えることができなかったことが、ずっと心残りだった真生は、はがきをくれた学生の住所を訪れる。

彼から話を聞くと、祖父と父親の間が上手くいっていないことを知る。真生は、自分も父親とすれ違ったまま、想いを伝えることができず亡くしてしまった経験があり、その悔しさを思い出すと、はがきをくれた学生の祖父に私に何か出来ることは?と話をするが、他人のことはほっといてくれと頑なに断られてしまう。

真生は、仕事に戻ると”他の人の伝えられていない想いを伝えるナビゲーター”になろうと、ラジオの企画会議で、あなたの心の引き出し仕舞っていた思いを相手に伝えませんか?というコンセプトでハガキを募集する企画案を出す。

企画は無事に採用されると、”引き出しの中のラブレター”というタイトルが付けられ進行していく。

真生は、学生のもとを再び訪れると、学生の祖父に(心に仕舞っている想いの)手紙を書いてくれないかと最後のお願いする。しかし、相変わらず良い返事はもらえず。

引き出しの中のラブレター”が放送される当日、真生はたくさん送られてきたハガキを何度もチェックするが、学生の祖父からの手紙は見当たらない。

番組が始まり、ラスト一枚のはがきの紹介になった時、ADが他のはがきの中に混ざっていた、学生の祖父のハガキを見つけると、真生は、最後の一枚をそのハガキに変更し、読み始める…。

評価 ★★★★☆ (星4つ)

(他人の家の問題にズカズカと入っていき、手紙を書いてくれと言い、それに対し、断っていながらも最後はしっかりと手紙を書いてしまうという部分は、なんとなく出来過ぎのような気もしないでもないが、全く関係のない他人同士がこの一通の手紙によって、今まで隠されていた人間関係が浮かび上がってくるあたりは、面白い作りになっている。全編通して丁寧に描かれており、人間の温かみを感じる映画。実は、悪い人(嫌な人)は一人も出てこない。前回見た”おとうと”より、個人的にはこちらの方が共感できる。)


引き出しの中のラブレター


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映画「おとうと」の感想(ネタバレ)

2011.02.04 Friday 邦画 人間ドラマ/ヒューマン

■映画「おとうと」の感想(ネタバレ)



■監督:山田洋次 
■出演者:吉永小百合 笑福亭鶴瓶 蒼井優 加瀬亮 小林稔侍 森本レオ 加藤治子 
  
WOWOWで放送していた映画「おとうと」を鑑賞。

【映画「おとうと」のあらすじ】

夫亡き後、小さな薬局を営みながら1人娘・小春を育ててきた吟子。万事控えめでしっかりものの彼女にとって、時折顔を見せては問題ばかり起こして去って行く弟・鉄郎は頭の痛い存在だった。その鉄郎も久しく音信不通となり、穏やかな日々を送っていた吟子だったが、小春の結婚式当日、どこからか話を聞きつけた鉄郎が突然姿を現わす。酔いつぶれた鉄郎は案の定式を台無しにし、吟子は親類の手前やむなく絶縁を言い渡すのだが……。

※WOWOWから引用

【映画「おとうと」の感想】

人情味はあるが借金をしたり、酒癖が悪く場をわきまえず騒いで他人に迷惑を掛けてしまう、典型的なダメな人間:弟(おとうと)を持った姉とその家族の話。

巷では、山田洋次監督ということで、おとうとを寅さん(渥美清)のような人物で描きたかったのでは?と憶測があるが、実際は、キャラクターは似ているが、おとうと役は笑福亭鶴瓶が演じており、こてこての関西人の旅役者という設定になっている。

ストーリー的には悪くないと思うが、おとうとに裏切られようと、迷惑を受けようと最終的には弟を心配している姉の献身さには、大変だなと共感できるが、改心することなく、ひょっこり現れては迷惑を掛け続ける”おとうと”に全く感情移入できないところは唯一の欠点に思える。

死ぬ前に初めて涙を流し「悪かった」と謝るのだが、感動的ではあるが、あまり胸に響いてこないのは、おとうとにもっと別の一面が見えてこないからだろう。

おとうと(鶴瓶)が亡くなる直前に姉が娘(蒼井優)に対し、娘の名付け親がなぜ弟になった理由の話をするのだが、結局は、今は亡き夫(娘の父親)の良い話ということで、おとうとはあまり関係ない。

鶴瓶はかなり迫真の演技をしているが、演技以上のものが伝わってこないのは、ちょっと辛い。

評価 ★★★★☆ (星4つ)

(この映画にも蒼井優が娘役で出演しているが、この人は演技が自然でやっぱり上手い。星4つの理由は蒼井優がいるところが大きい。もう少し蒼井優のストーリーが見たかった。姉役の吉永小百合も安定感あるし、鶴瓶もがんばっている、人間ドラマとしては悪くない作品だが…何かもうひとつ足りない部分がある。)

おとうと

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